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DMM mobile買収で契約増の楽天モバイル ただしMNOとMVNOの両立は不可に? ドコモ吉澤社長は不快感

7/13(土) 9:10配信

ITmedia Mobile

進むMVNOの再編、今後も買収劇はあるか

 コスト構造をどう設計するかにもよるが、MVNOはもうかりにくい事業といえる。例えば、オプテージの運営するmineoは、100万回線を損益分岐点に設定していたが、ショップの運営やソフトバンク回線の追加といったコストがかさみ、黒字化の目標を先送りしている。他の事業とのシナジー効果をにらんで参入しているMVNOも少なくないが、回線だけではなかなか利益を出しづらいのが現状だ。

 800社を超え、“格安スマホ”としてブームにもなったMVNOだが、ユーザー数の伸びも鈍化しており、曲がり角を迎えている。6月に調査会社のMM総研が発表したMVNOの市場規模を見ると、「独自サービス型SIM」の回線数は、2019年末で1312.2万回線。2018年3月末から約100万回線増加した一方で、携帯電話回線全体に占める構成比は7.4%と、伸び率は鈍化している。サブブランドの台頭や、ドコモなど、MNO自身が料金値下げに踏み切ったことが、その理由だ。

 一方で楽天モバイルのように、規模を必要とする事業者も存在する。この「需要と供給」がマッチすれば、POM社やDMM mobileに続く事例が出てくる可能性もある。楽天モバイルも、「具体的に決まっていることはないが、いい話があれば検討していく」(広報部)と買収に前向きだ。MVNOのシェア上位を見ると、すでに大手通信事業者の傘下になっている事業者も多いが、経営が立ち行かなくなった小規模なMVNOを、MVNEが引き取るケースも考えられる。

MVNOとしての楽天モバイルには、批判の声も

 ただ、こと楽天モバイルに関しては、MNOに新規参入するため、今後も同様の手法で規模を拡大できるかどうかは未知数だ。ドコモやauの回線を使ったMVNOとしての楽天モバイルユーザーを、自社回線にどう移行させていくのかも課題といえる。楽天モバイルでは、3月14日の10時以降に新規契約したユーザーには、10月以降、自社回線のSIMカードを送付する予定だが、切り替えはあくまでユーザーの任意となる。3月14日の9時59分までに契約したユーザーに対する移行方法も、現時点では発表されていない。

 auと楽天、双方のVoLTEに対応しなければいけない関係もあり、現状では対応端末も限定的だ。主にシャープやOPPO、一部のHuawei端末がMNOとしての楽天モバイル回線に対応するが、それ以外の端末の扱いをどうするのかは確定していない。仮に買い直す必要が出てくると、それだけ移行が遅れてしまうおそれがある。

 料金プランはMVNOのものが継続される予定だが、エリアがどこまで広がっているのかが不透明な部分もあるため、ユーザーは慎重になるかもしれない。特にローミングでauの回線を利用できない東京、名古屋、大阪では、楽天モバイルの自社回線に切り替えた途端、普段つながっていた場所で圏外になってしまう事態も想定される。特に、ビル内や地下街などのエリア化は、屋外以上にオーナーとの交渉などに時間がかかり、都市部であれば、その数も膨大だ。楽天モバイルの持つ周波数が1.7GHz帯(Band 3)であることを考えると、1つ1つの基地局でカバーできる範囲にも限界がある。

 MNOとして自社でネットワークを持つ事業者が、他社の回線を借りることをどう整理するかも、今後の課題といえる。中でもドコモは、自社でサブブランドを持たないこともあり、MNOが展開するMVNOには批判的だ。ドコモの吉澤和弘社長は筆者のインタビューに答える形で、「楽天モバイルとして(自社回線を)始めるからには、基本的にMNOとしてやっていただく。MVNOは解消してもらいたい」と不快感をあらわにした。吉澤氏によると、KDDI傘下でドコモ回線を使うビッグローブとは「既に話をしている」という。

 ただし、現行のルールでは、MNOだからというだけで相互接続は拒否できない。MVNEを介してしまうと、MNO側は回線を使われていることすら事前に関知できないため、すぐに関係を解消するのは難しいはずだ。一方で、ネットワークのエリアや品質は、キャリア同士が競争することで向上してきた経緯もある。安易にMVNOとして回線を借りられるのは、この競争環境をゆがめてしまう恐れもある。吉澤氏は「もっと影響が出てくるのであれば、声は挙げていこうと思っている」と語っていたが、総務省が何らかのルールを作る時期に差し掛かっているのかもしれない。

ITmedia Mobile

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最終更新:7/13(土) 9:10
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