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ソニーvs物言う株主 半導体事業売却をめぐる“舌戦”の行方

7/13(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 世界的に著名なアクティビスト(物言う株主)であるダニエル・ローブ氏が率いるサード・ポイントが株式を保有するソニー(吉田憲一郎社長)に対して、半導体部門をスピンオフ(事業の分離・独立)し、エンターテインメント事業に集中するよう求めている。

 しかし、ソニーの取引金融機関からは、「ソニーは半導体事業を売却してはいけない」(取引銀行幹部)と反対する声が数多く聞かれる。果たしてどちらの言い分が正しいのか。

 ローブ氏が半導体事業の分離・独立を主張するのは、ソニーの株価が同業に比べ過小評価されているためだ。「ローブ氏はソニーは多様な事業を抱えるために企業全体の資本効率が落ち、株価が割り引かれて評価されるコングロマリットディスカウントされているとみている」(市場関係者)とされる。サード・ポイントがソニーに送った書簡にも「半導体部門を分離すれば5年以内に350億ドル相当の価値の企業になる可能性がある」と記されている。つまり市況の動向に大きく左右され、業績の浮き沈みが激しい半導体事業を切り離せば、事業の集中度が高まり、株価も上昇するというのがローブ氏の主張だ。

■吉田社長の決断は

 これに対して取引銀行の幹部は、「ソニーにとって半導体事業は連結利益の20%弱を占めるに過ぎないが、スマホのカメラに使う半導体が主力で画像センサー技術は世界トップクラス。むしろソニーの収益の半分以上を占めるゲーム、娯楽の収益の下支えをしている」と反論する。

 実は、サード・ポイントがソニーの株式を大量取得して揺さぶりをかけるのは今回が初めてではない。13年にもソニー株を取得し、映画などエンターテインメント事業の分離・独立を要求した。この要求に屈せずにその後、ソニーの復活を主導したのが平井一夫社長(当時)と側近の吉田氏だった。

 その平井社長が昨年4月に退任し、その後を受け社長となったのが現在の吉田氏だ。果たして財務に精通した吉田社長がどんな決断を下すのか、注目される。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

最終更新:7/13(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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