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性暴力被害、高校中退、摂食障害 つらいということさえ誰にも言えなかった

7/13(土) 11:00配信

BuzzFeed Japan

妹が小児がんにかかり、5歳から2年間、親元から引き離されて育った坂田菜摘さん(37)。

安心して甘えられる誰かがいなかったという幼い頃の喪失体験は、誰かに頼ることができない姿勢を植え付け、成長の過程で様々な困難をもたらすことになった。

つらい経験を誰にも言えない、高校中退、摂食障害、うつ、自殺未遂ーー。

抑えつけてきた思いは、自分や親を攻撃する怒りに転換され、周りを、そして自分も酷く傷つけることになっていく。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

誰にも言えなかった性暴力被害

2年間、親と離れていたからといって、特別なケアを受けたわけではない。

母、父、長女、次女と再び一家が揃って、弟を身ごもった母は、さらに忙しくなり、坂田さんは長女としてますますしっかりすることを求められていた。

実家に帰って間もない小学2年生の頃、性暴力被害に遭い、誘拐されかけたことがある。

鍵っ子で7階建てのマンションに住んでいた坂田さんは、学校からの帰り道、どこで目をつけられたのか、若い男に待ち伏せされるようになった。

毎回、自宅マンションの最上階の踊り場にあたる人気のないところに連れ込まれて、目隠しをされる。

「当時は、子供だから意味がわからなくてされるがままにされていました。でも怖いのですよね。でもこれは親に言ったら心配されると思って言えませんでした。深刻な被害でなくて良かったです」

3回目ぐらいの時に、その男の車に連れ込まれそうになった。

「さすがにまずいと思って、走って家に逃げ込んだらたまたまその日は母がいたんです。弟の妊娠中で休んでいたと思うのですが、私が真っ青なので『どうしたの?』と聞かれて、警察が呼ばれました」

それでも、本当のことは言えなかった。

「お母さんが悲しんでしまうから、これは黙っていなくてはいけないと思いました。それで、作り話をしたんです。お菓子をあげるからついておいでと言われたけど逃げたと。母がたまたま家にいなかったら何も言っていなかったと思います」

警察はそのまま調書を作って帰っていった。翌日、全校集会で校長が自分の作り話を語りながら生徒たちに気をつけるよう注意したのを覚えている。

「今思うと、そんな怖い思いをしたのに、なぜそんな嘘をついたのかなと思うんです。私は、自分の心を他者に明かす習慣がなかった。悲しいとか寂しいとか怖いとか言えなかった。でもその思いは、大きくなってから怒りとして吐き出されることになりました。母からも『あなたは全ての感情が怒りとして出てきてしまう』と言われたことがあります」

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最終更新:7/13(土) 11:00
BuzzFeed Japan

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