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間野教授に池田氏が異議を唱えた理由 「名前貸しだけの役職はスポーツ組織運営の害でしかない」

7/13(土) 10:04配信

VICTORY

日本ラグビー協会特任理事時代には今夏のW杯、さらにその後を盛り上げるべく秩父宮ラグビー場を「でっかいパブにする」ことを標榜。「青山ラグビーパーク化構想」をぶち上げ、改革のスタートを切った。しかし、往年のファンを呼び戻そうとして計画した同ラグビー場での人気ドラマ「スクール☆ウォーズ」の上映すら中止に追い込まれるなど、過度な忖度が内部で起こり、行動や発言が制限される結果となったことで、その地位を返上した。

昨年9月には、スポーツ庁の鈴木大地長官から「全米大学体育協会(NCAA)」を範とした、日本の大学スポーツの産業化を目指す「大学スポーツ協会(UNIVAS)」のトップ就任の打診があったが、これも「大学スポーツ業界関係者の協調性」を優先し「八方美人」な姿勢に傾いていく調整と毀誉褒貶の世界に疑問を覚え、辞退することとなった。

「スポーツの世界は特に現状に否定的な物言いをすると、煙たがられます。球団、協会、国など、いろいろな立場からスポーツを見てきましたが、常に『もっと忖度しろ』『肯定的に物を言え』などという“保身”を見せられてきました。ビジネスの世界でイノベーションを起こすのは、シリコンバレーでもそうだったように、ドンッと本質的で合理的に発言し、戦略を持って戦えるファイターです。リーダーがしっかりした大きなビジョンを示し、それに基づいてダイナミズムが働き、その結果で初めて生まれてくるのが新しい世界であり、ホンモノの協調性です。しかし、スポーツ界ではそれが受け入れられ難くて、最初にクローズドな世界の協調性が重視されがちです。大きなビジョンを示したり、目立つと、妬み嫉みに変わっていく。そんな世界で肩書きや地位だけ維持していても、お騒がせものになるだけです。変えてほしいと言われ、それを実現するのが仕事であり、変えられないと確信できてしまったら自ら潔く離れる。奪い取ってまでやりたいものなら別ですが、お願いされて引き受けたものばかりでしたし、それが当然の決断だと思います」

さらに「実際に組織を変えられた場合も、しばらくすると、みんなが傾倒して、尊重しすぎてくれるようになり、キングダム(王国)になってくる。それはそれで組織に“進化の持続力”がなくなるので、自分が決めた目標を達成したらオーナーでない以上、あるタイミングで辞めるべきだと考え、実践してきました。それが、イノベーションをミッションとする私のプロ経営者としてのモットーです。人には役割というものがあるんです」とも強調した。論理や知識による机上の空論ではなく、実際に25億円ほどの赤字があったベイスターズを5年間で黒字化し、地位にしがみつくことなく退任した池田氏だからこそ、説得力を持つ言葉といえる。

さまざまな立場を経験し実感したのは、改革を実践するにはリーダーとしてある一定の意思決定権を持てるかどうかが重要な基準になるということだという。「蛸壺の中で評価されるのではなく、社会に評価されることが重要なのです」。SSCの会長として、さいたま市と連携してスポーツによる地域活性化のパイオニアになるべく、また一つ新たな道を動き始めた池田氏。「肩書き」「しがらみ」にとらわれない改革実践家の今後が注目される。

VictorySportsNews編集部

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最終更新:7/13(土) 10:04
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