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警察癒着、曖昧幕引き OBへの処分見送り 執筆料問題

7/13(土) 10:02配信

西日本新聞

 警察庁と17道府県警の警察官が昇任試験の対策問題集を出版する「EDU‐COM」から原稿執筆料を受け取っていた問題は、警察庁と道府県警が3人を懲戒処分、18人を訓戒や注意とし、半年以上にわたる調査を終えた。各警察の説明を聞く限り調査が十分に尽くされたとはいえず、処分基準も曖昧だった。無許可副業や内部文書を流出させた一連の疑惑の全容が解明されないまま、再発防止を図れるのか。

【画像】警察官執筆料問題をめぐる構図

 「期間や回数、報酬額を総合的に判断した。一律にどうだということはない」。兵庫県警は、同社の支払いリストに載った現職警察官21人のうち、4人が無許可副業を禁じた地方公務員法に抵触すると判断した。ただ、基準を問われても曖昧な答えを繰り返した。

 警察ごとに違法副業の判断に差が出た。福岡県警は2013~17年にほぼ隔月で執筆した警視正について「定期性、継続性がない」と認定。これに対し、広島県警は数カ月おきに執筆した警視について副業に当たると判断した。警察庁は「継続的、定期的の基準はない。各道府県警が個別に判断した」と説明した。

 福岡、神奈川、埼玉、京都の4警察は「個人のプライバシー」などを理由に受け取った金額さえ、明らかにしなかった。

   ◇    ◇

 本紙は同社関係者から23件の取扱注意文書を含む15道府県警が作成した数千件の内部文書の写しを入手。執筆した警察官が同社に流出させたとみられ、熊本県警は戒告処分とした猿渡信寛警視が70件の文書を同社に提供したと認定した。

 それでも、調査で確認されたのはごく一部で、多くの警察は「文書流出は確認できなかった」と説明。京都府警は「報道に出ている文書は府警に存在はしている」と認めた上で「処分者が渡してないと言っている」と調査を打ち切った。

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 現職時代に執筆したOB、偽名や架空とみられる団体名を用いて執筆していたケースについても、調査の甘さが目立った。

 昨春退職した奈良県警の元警視はリスト上、計約400万円を受け取ったとされるが、県警は既に退職しているため処分対象にならないと説明した上で「必要な調査はしたが、回答は差し控える」とした。

 昨年末に退職した京都府警の元警視は「南謙三」の偽名と「近畿法規研究会」の団体名で計約800万円を受け取ったとみられる。しかし、府警は同社側への調査すらしないまま「本人が否定しているので確認できなかった」と結論づけた。

 警察官執筆料問題に関する一連の報道は、北海道新聞、河北新報、新潟日報、東京新聞、中日新聞、京都新聞、神戸新聞、中国新聞などと連携しました。

西日本新聞社

最終更新:7/13(土) 10:02
西日本新聞

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