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復興願う「子獅子」児童が奉納へ 西日本豪雨で被災

7/13(土) 10:05配信

西日本新聞

 昨年7月の西日本豪雨で被災した福岡県嘉麻市の熊ケ畑小の児童が14日、地元の高木神社で開かれる祇園祭で獅子舞「熊っ子獅子」を奉納する。校舎は復旧工事中。児童は別の小学校の教室を間借りし、授業を受ける生活を続けている。一日も早く元の学校に戻れるよう祈りながら、見守ってくれている地域住民への感謝を込めて、獅子が舞う。

【写真】校舎と裏山の工事が続く熊ケ畑小

 「カチッ、カチッ」。笛や太鼓の音に合わせ、6年の田中陽翔君(11)が獅子の歯をかみ合わせる。6月28日、熊ケ畑小の児童が間借りしている上山田小に「熊ケ畑獅子保存会」のメンバーが足を運び、子どもたちを指導した。

 明治時代から伝わる熊ケ畑獅子舞に新たな曲を付け、小さな木製の獅子頭を使う熊っ子獅子は、地域の文化を子どもたちに伝えようと1987年に誕生。卒業式の祝いの舞としても定着してきた。

 奉納は2年ぶり。昨年は豪雨のため、30年以上続く獅子舞奉納が初めて中止になった。

 昨年7月6日。熊ケ畑小の裏山が崩れ、土砂が流れ込んだ。1、2年生の複式学級が入る校舎の壁の一部が損壊。前倒しで夏休みに入り、2学期の開始を早めた。全校児童21人は、約3・3キロ離れた上山田小に市バスなどで通っている。机や椅子は、教諭や保護者が熊ケ畑小から運び込んだ。

 木造校舎の老朽化に伴い、豪雨前から進めていた大規模改修工事も中断。土砂を撤去して再開したが、今度は教室棟で地盤沈下が見つかり別の工事も必要になった。田中君は「4月には学校に戻れると思っていたのに、長くかかると聞いて悲しかった」と振り返る。

 児童の間借り生活が長引く中、地域の人たちは被災後も、地元での餅つき大会や田植え体験などの学校行事を手伝い、子どもたちを見守り続けてきた。

 熊っ子獅子の本番まであとわずか。神社で奉納した後は地域を回る。6年の灰本士煌武(しきぶ)君(11)は「地域の人たちの前で舞えるのはうれしい。本番では失敗しないように頑張りたい」。熊ケ畑獅子保存会会長の広瀬昭則さん(71)は「子どもたちには獅子舞をこの先も受け継いでいってほしい」と願う。それぞれの思いを一つに舞台に臨む。

西日本新聞社

最終更新:7/13(土) 10:05
西日本新聞

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