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工事事業者の外注依存、倒産に要注意

7/13(土) 21:26配信

ニュースイッチ

日本メタルエンジニアリングにみる破たんの軌跡

 日本メタルエンジニアリングは、2014年11月に設立した鉄骨工事業者だ。業歴は浅いながら、代表が鋼材商社勤務時代に築き上げた人脈と経験を生かして、主力得意先の大手ゼネコンとは強いパイプを有していた。

 マンション、公共施設など大型物件を中心に手がけ、施工は35社内外ある協力会社を利用し、当社は現場監理を主体に、大手ゼネコンからの下請け受注を得て売り上げを確保していた。

 17年1月には、取引先への材料供給を目的とした商社機能を持つ子会社を設立して顧客への対応力を高めるとともに、18年以降は東京での受注を拡大。18年10月期には年売上高約25億4200万円を計上し、順風満帆な経営に見えた。

 しかし、実際の経営状況は異なっていた。18年2月にはすでに一部取引先への支払い遅延が発生。背景にあったのは、業容急拡大に伴う必要運転資金の急増だ。外注に依存し、大型工事が主体だったために、常に資金繰りに余裕はなかった。また子会社が商社機能を持ったことで在庫負担が発生し、資金繰りは急速に悪化していった。

 さらに社員の退職が相次いだことで現場も混乱し、外注先への支払い遅延が続いた。昨年12月には金融機関へリスケを要請したが、具体的な事業改善計画を提示しなかったため、金融機関の対応は厳しかった。また取引先や金融機関に対する説明では数億円におよぶ未回収金があり、その資金を回収して支払いや返済に充当するとのことだった。

 しかし、相手側とは未回収金に対する意見の相違があったことで、弁護士を入れて訴訟による代金回収を図る計画を立てることとなった。

 結果として、昨年12月に債権者から請負代金債権の差押を受ける事態が発生。今年2月ごろには実質的に事業を停止する状態に陥り、間もなく平成が終わる4月25日に大阪地裁へ自己破産を申請した。

帝国データバンク情報部

最終更新:7/13(土) 21:26
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