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社説[Yナンバー白タク]違法行為を放置するな

7/13(土) 12:50配信

沖縄タイムス

 「Yナンバー」車を使った「白タク」が横行している。

 違法行為に加え、安全管理上の問題も多い。さらに日本の国内法の規制を受けにくい仕組みは、米軍人や軍属に与えられた地位協定上の特権とも無関係ではない。

 Yナンバーは米軍関係者の私有車を示す表示である。道路運送法は営業許可のない自家用車による有償運送、いわゆる白タクを禁止している。

 その白タク行為が目立つようになったのは、昨年末あたりから。

 北谷町や沖縄市の繁華街で米軍人らを乗せた車が、キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブなどの基地を行き来する場面がたびたび目撃されている。会員制交流サイト(SNS)を通じて客を募るシステムで、料金はタクシーより4~5割安いという。

 本紙の取材で、白タク行為が疑われるSNSのアカウントが複数存在し、中には4千人以上のフォロワーを擁するアカウントがあることも明らかになった。割安感から利用が広がっているのではないか。

 ただ無許可で営業する白タクは、アルコールチェックなど健康管理や、任意保険の加入など安全対策の全てが運転手任せである。事故が発生した時、不利益を被るのは利用者だ。

 看過できないのは、「入域料」を払って基地内に出入りする許可を持つベースタクシーの売り上げを圧迫している事実である。「月に数万円減った」と訴える乗務員もおり、影響は深刻だ。

 ■ ■

 Yナンバー白タクを一般のYナンバー車と見分けるのは容易ではない。白タク行為を注意したことで、逆に挑発的な態度をとられたというタクシー乗務員もいる。その上、お金のやりとりも外部からは見えにくく、基地に入れば立証は困難だ。

 この問題は、国や県の立ち入りを拒否したり、課税を免除されるなど、米軍や米兵が有利に扱われる地位協定の中で考える必要がある。

 なぜ基地周辺の河川から有機フッ素化合物のPFOS(ピーホス)が高濃度で検出されても、米軍は沖縄防衛局の立ち入り調査要請を拒否し続けるのか。

 なぜYナンバー車の自動車税は民間車と比べ著しく低いのか。

 なぜ米兵は旅券法の適用から除外されるのか。

 米軍の行動を最大限保障する地位協定が、地元を軽視し不公平な状況を生じさせているのだ。

 ■ ■

 報道を受け、在沖米海兵隊はフェイスブックを通じて「日本の法律に違反する」と禁止を呼び掛けたが、形式的に呼び掛けるだけでは意味がない。

 白タク行為は外国人観光客を対象としたビジネスとして拡大している疑いも出ている。

 沖縄総合事務局、米軍、県警の3者で早急に会議を持ち、実態を把握した上で、実効性のある対策を打ち出す必要がある。

 国内法にのっとったルールを徹底し、監視や取り締まりを強めるべきだ。

最終更新:7/13(土) 12:50
沖縄タイムス

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