ここから本文です

世界をくぎ付けにした「一歩」の中継、アポロ月面着陸から50年 当時の映像

7/14(日) 14:40配信

AFPBB News

(c)AFPBB News

【7月14日 AFP】1969年7月20日、アポロ11号(Apollo 11)の月着陸船「イーグル(Eagle)」のはしごから、ニール・アームストロング(Neil Armstrong)船長が月の「静かの海(Sea of Tranquility)」に降り立った瞬間、世界の5億人以上がテレビでその様子を見守った。これは公式記録の数字だ。だが、AFPが当時伝えたように、おそらくその数字は過小評価されている。専門家らは現在、実際には当時の世界人口の5分の1に当たる約7億人が月面歩行を見守ったと考えているのだ。

 月に降り立ったアームストロング氏が、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大なる飛躍である」との名言を残してから、今年で50年を迎える。

 当時、全米の主要テレビ局は31時間という異例の生中継を実施し、米航空宇宙局(NASA)からの映像は中国と旧ソ連を除く世界中で放映された。

 アポロ11号については、打ち上げ前の準備から、打ち上げ、月面歩行、地球帰還まで8日間にわたって詳細に報じられた。米テキサス州のミッション管制センター(Mission Control Center)では、約3500人のジャーナリストが取材を行った。

■「天文学的な」特番製作費

 当時、米CBSニュース(CBS News)のディレクターだったジョエル・バノー(Joel Banow)氏は、アポロ11号に関する放映について、気が遠くなるほどの規模で進められたと話す。

 バノー氏はロバート・ストーン(Robert Stone)監督のテレビドキュメンタリー『Chasing the Moon(原題)』で、「視聴者をできる限りワクワクさせる番組にするのが私の仕事だった。制作には100万ドル(当時の為替換算で約3億6000万円)以上をつぎ込んだ。1969年当時のニュース番組としては天文学的な数字だった」と語っている。

 テレビ局はこぞって「宇宙時代」にふさわしいセットを整え、アーサー・C・クラーク(Arthur C. Clarke)氏やアイザック・アシモフ(Isaac Asimov)氏といった著名SF作家、ラジオドラマ『宇宙戦争(The War of the Worlds)』を監督したオーソン・ウェルズ(Orson Welles)氏らに出演を依頼した。

■月面から見た「青い地球」

 フロリダ州ケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)からサターンV型(Saturn V)ロケットが打ち上げられる様子は、340台以上のカメラによって撮影され、宇宙船内部からのカラー映像も生中継された。月着陸船イーグルの外側には白黒カメラと16ミリカメラが装備され、アームストロング氏がイーグルの扉を開けた瞬間からそこでの撮影が始まった。

 映像はかなり不鮮明だったが、地球で視聴している人々はほとんど気にしていなかったようだ。

 月面着陸は冷戦(Cold War)のただ中、またベトナム戦争(Vietnam War)で米国への批判が高まる中で行われ、米国の技術力の優位性を世界に知らしめるものとなった。

 アポロ11号について新たなドキュメンタリーを制作したフランスのシャルルアントワン・ドルーブル(Charles-Antoine de Rouvre)氏は、「アポロ11号は、あまりうまく撮影されなかったミッションの一つだ。なぜならば米国はロシアに先んじようと急いだため、乗組員の訓練が十分ではなかったからだ」と指摘する。カラーテレビがいっそう普及し、ついに一般的になったのも、アポロ11号の月面着陸のころだったとドルーブル氏は述べた。

 月面から見えた「青い地球」──人類にとって象徴的な瞬間は記録された。その後、この青い地球の映像は、当時生まれたばかりの環境保護運動を勢いづけるものとなった。

 映像は、1969年7月16、20、22、24日にNASAが撮影。(c)AFPBB News

最終更新:7/14(日) 14:40
AFPBB News

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事