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中国が南シナ海で弾道ミサイルの発射実験~東アジアで核兵器に関する軍備管理が始まる

7/14(日) 19:20配信

ニッポン放送

外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦がニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月5日放送)に出演。南シナ海で中国が行った弾道ミサイルの発射実験について解説した。

中国が南シナ海で弾道ミサイルの発射実験

アメリカ国防総省当局者は4日、中国が南シナ海で弾道ミサイルの発射実験を実施、南シナ海の洋上に着弾したと明らかにした。この海域で中国のミサイル実験が確認されるのは初めてと見られる。アメリカ国防総省の当局者声明で、遠距離の標的を精密に核や通常攻撃できる中距離弾道ミサイルを中国は拡充していると指摘し、中国による軍事拠点化の動きに懸念を表明した。

飯田)これは日本でも大きく報じられました。

中国のミサイル発射実験の3つの問題~1つは中国が再び破った約束

宮家)南シナ海の南沙でしょう。中国の言う第一列島線のなかですから。これには問題が3つあります。第1は習近平さんがまた嘘をついたとアメリカが思っていることです。5~6年前に「サイバー戦争をやめます」と言ったけれど、それを破った。続いて「南シナ海は軍事化しません」と言ったのですが、この約束も破った。それが現在の米中関係悪化の引き金だったと思います。しかも、それでもやめる気がないのだから当然こうなりますよ。

2つ目~米空母が海域に入ることができない

宮家)2つ目は第一列島線のなかにアメリカの艦船を入れないということ。中距離弾道ミサイルによって精密に遠距離攻撃ができるということは、「空母を沈めますよ」と言っているのです。もちろん空母の周りはイージス艦が守っているのですが、では中国側が100発同時にミサイルを撃ったらどうなりますか? 飽和攻撃と言うのだけれど、これは効きますよ。だからアメリカにとって、これは大きな問題なのです。

3つ目~東アジアで中距離ミサイルの脅威が出て来た

宮家)3つ目は、中距離弾道ミサイルがこうやってどんどん増えて行く軍備管理に行きつきます。昔、米ソ間ではINF条約によって中距離弾道ミサイルは全廃したはずでした。しかし最近アメリカが同条約から撤退したでしょう。それはまさに、こういう脅威が出て来たからです。つまりこれから東アジアでは一昔前のヨーロッパのように、ついにミサイル、核兵器に関する軍備管理が始まるということです。いままでそういう状況は東アジアになかったけれども、今やあらゆる意味で、北朝鮮も含め、中距離弾道ミサイルの脅威が出て来た。その始まりです。発射実験をするということは、それが実際に実戦配備されるということだから。脅威がしっかりと出て来るということです。これではこちらも政策を変えなくてはいけないと思いますよ。

飯田)脅威がしっかりと出て来る段になると、アメリカは力で封じ込めるのではなくて、話し合いも含めて管理をして行く方向にならざるを得ない。

宮家)1つはそうですね。ただもう1つは、航行の自由です。南沙諸島を含めた南シナ海どこでも、ほとんど公海ですから。米海軍は今後も航行の自由作戦を続けるとは思うのですけれども、中国のミサイルはもう人工島にあるのだから、ミサイルの脅威がなくなるわけではありません。中長期的に大きな脅威がまた1つ増えたということだと思います。

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最終更新:7/14(日) 19:20
ニッポン放送

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