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中国が南シナ海で弾道ミサイルの発射実験~東アジアで核兵器に関する軍備管理が始まる

7/14(日) 19:20配信

ニッポン放送

核を均衡するためには

飯田)東南アジアも含めたアジアの安全保障の大きな会議として、シンガポールでシャングリラ会合というものがありましたが。

宮家)あれは公の会議ですから。軍備管理、ミサイルの数や弾頭数の交渉などは、昔は米ソでやったではないですか。ああいうことをまだ中国とは一切やっていないのですよ。もちろん中国にはもともと小さな核戦力しかなかったから、そんなことをやる必要がなかったのだけれど、いま中国はICBMの数も増やしているし、昔は何十発だったものが今は何百発になっているはずです。これが1000発を超えたら大変なことになるわけで、そうならないうちにきちんと核兵器の管理をしなくてはいけないという動きがこれから出て来ると思いますよ。

飯田)シャングリラのときも国防大臣が来ていて、そういう質問が出たけれど、時間切れもあって結局お茶を濁した。

宮家)要するに核攻撃能力を均衡しようと思ったら、少なくとも相手の核攻撃に対して核攻撃で報復する、いわゆる「第二次攻撃能力」が必要です。向こうからやられてもこちらがやり返せる、やり返されたら相手は嫌だからやはり攻撃はやめよう、というのが核の抑止の基本です。その能力を持つためには相当の数の核兵器が必要です。けれど今の中国はまだそれには足りないから、足りないうちに核軍縮をさせられたらたまらない。私がもし中国だったら核開発はやめませんよ。

飯田)そうするとある意味、日本という国は日米安保条約もあって、アメリカの核の傘で守られていると言われます。しかし、その傘が弱くなったり、あるいは一部が破られるようなこともあるかもしれない。

宮家)核の抑止とは常にそういうもので、紙に書いたからといって守ってくれるわけではない。同盟関係がきちんとしていなくてはだめなのです。ヨーロッパも同じで、欧州にはNATO条約があるのですが、日本にも日米安保条約がある。しかし最終的にどうやって守るかと言ったら、自分たちで守らなくてはならないのですよ。東アジアもついにヨーロッパと同じような状況になるのです。

飯田)ヨーロッパは1980年代、中距離核戦力の話があって。

宮家)SS-20とパーシング2という中距離弾道ミサイルの争いがあり、そのあとINF全廃条約に繋がった。その後、NATOの一部の国はアメリカの核兵器を導入して、「核の共有」をやってソ連の核兵器に対抗した。そのような時代が形を変えて、東アジアに出て来る可能性もないわけではない。

飯田)あの当時も、中距離の核ミサイルをヨーロッパ向けではなくて日本向け、アジア方面にもという話があって、そうなるとまさにいまの話と同じ。

宮家)そうです、それをやめさせたのです。あれは当時、日本にきちんとした戦略家がいたということですよ。

飯田)当時の中曽根政権には国家安保室など、いくつか総理直属の部屋がありました。その辺を立案してやるということが、戦略的にできていたのですか?

宮家)あまりこんな言い方はしたくないけれど、当時あの問題をきちんと考えていたのは、外務省の北米局だったと思います。

飯田)その危機感も含めてやっていた。

宮家)核抑止のことを80年代に本気で考えていたのはごく一握りの人たちでした。官邸にそういう組織はなかったし、発想もなかったと思いますね。

飯田)いまより官邸の力がもっと弱かったという話で。

宮家)ええ。要するに官邸には政治家しかいなかった時代、あとはごく少数の側近しかいなかったから。いまのようにNSCがあるわけでもないですし。でも逆に、昔のほうが関係省庁の役割が大きかったかもしれません。

飯田)いまはそこをNSCが担っている感じ。

宮家)でしょうね。もっともいまのような議論は一昔前と違って常識ですから、いろいろな省庁とも議論した上で、NSCで政策が集約されて行く形だと思います。昔のようなドタバタはないと思います。

核のシェアリングという選択~国民にどう説明するか

飯田)やはり日本として、いまの日米安保の枠組みも含めたなかで守って行こうとすると、シェアリングが1つ有力な選択肢になるわけですよね。

宮家)核シェアリングはもちろん、軍事的には1つの選択肢だと思います。ただ、国内政治的にどうやって国民に説明するかとなったら、それは簡単ではないと思います。しかしそうした議論をすべきことは当然なので、国民の皆さんにも理解してもらう努力をしないと、そういう方向に動くのは難しいと思います。

飯田)戦後からこのかた、外交は票にならないということがまことしやかに言われて来ましたけれど、せっかくの選挙の機会、こういうことも本当は議論しなくてはと思います。

ニッポン放送

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最終更新:7/14(日) 19:20
ニッポン放送

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