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金融リテラシーを高めるのは保有資産の大きさよりも経験の積み重ね

7/14(日) 9:15配信

LIMO

金融資産が多くなると金融資産額と金融リテラシーとの関係は弱まる

前回、2016年に金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査」中の金融リテラシークイズを、フィデリティ退職・投資教育研究所が2018年12月に実施した高齢者の金融リテラシー調査(回答者65歳から79歳までの1万1960人)でも取り入れて、その水準と他の設問の結果をクロス分析していることをお伝えしました。

高齢者の金融リテラシークイズ得点の分析結果を見る

それをもとに、保有する金融資産の大きさと金融リテラシークイズの得点の関係を分析してみました。すると「金融資産が0円」の人は30点台半ば、「500万円未満」の人で40点台半ば、「500-1000万円未満」の人で50点台半ば、「1000万円を超える」人では60点を超えるという結果になりました。「金融資産があるから、金融リテラシーが高い」という関係は比較的納得できそうです。

しかし金融資産1000万円を超えると、その関係は一気に変わります。金融資産が1億円以上の人でもリテラシークイズの得点は60点台のままなのです。すなわち、1000万円未満の金融資産の場合には、かなり明確に金融リテラシーが低いことが窺えるものの、1000万円を超えると、そこから先は資産規模が大きくなっても金融リテラシーにあまり影響を与えていないといえるようです。

投資をしている人ほど金融リテラシーが高い

金融リテラシークイズの結果と投資にも関係があります。「現在投資をしている人」が65.2点、「以前投資をしていたが今はやめた人」が57.0点、「これまで投資をしたことがない人」が44.7点で、投資をしている人の金融リテラシーが相対的に高いことを示しています。

この関係を「金融リテラシーが高い人ほど、投資をしている」と読むこともできますし、だから金融教育は必要だともいえるでしょう。しかしその逆もあり得るのではないでしょうか。

『金利に対する理解力の弱さが目立つ高齢者~金融リテラシークイズの結果から』の記事で紹介した通り、金融リテラシーが単なる金融の知識だけではなく、お金に関する「生活力」と理解すると、「投資をすることで金融リテラシーが高くなっている」という可能性も否定できません。たとえば、若い人よりも高齢者の金融リテラシーの方が総じて高かったのは、お金に関する様々なことを経験しているからという見方ができるわけです。

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最終更新:7/14(日) 9:15
LIMO

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