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インピーがマッチスプリントを制してツール初勝利 アラフィリップはマイヨジョーヌをキープ

7/15(月) 6:00配信

Cyclist

 ツール・ド・フランス2019は現地時間7月14日に第9ステージを行い、レース前半に形成された15人の逃げがそのまま上位争いとなり、最後はダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)がティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)とのマッチスプリントを制してステージ優勝し、ツール初勝利を挙げた。メイン集団はインピーから16分25秒差でフィニッシュへ。総合上位陣の争いは起きず、各賞に動きはなし。個人総合首位の証、マイヨジョーヌはジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が保持している。

【特集インデックス】ツール・ド・フランス2019
沿道からの熱狂轟くフランス革命記念日ステージ
 バカンスシーズンに入ったフランスでは、休暇に入った人たちの大移動真っ盛り。ヨーロッパ各国も同様で、フランス内外からツール観戦へと人々が集まってきている。
 7月14日といえば、ツールファンにはすっかりおなじみの「フランス革命記念日」。国の全土を挙げてのお祭りの日は、ツールにおいても特別な1日。例年、フランス人ライダーがこれでもかとアタックを連発し、ひと暴れを試みる。また、沿道では多くのフランス国旗がはためき、選手たちの到来を待つ姿が見受けられた。

 そんな、フランスの人たちにとって大切な日だが、今年は特別だ。前日行われた第8ステージで、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)とティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)の2人が猛攻。フランスの自転車界きってのプリンスである両者の協調もあり、終わってみればアラフィリップにマイヨジョーヌ、ピノも総合系ライダーでは実質1番手となる個人総合3位にジャンプアップ。最高の形で革命記念日を迎えることになった。
 国民の期待が一気に高まるこの日は、中南東部の主要都市サン=テティエンヌからブリウドまでの170.5km。前日同様に中央山塊を進んでいくが、この日はカテゴリー山岳自体は3カ所と少なめ。スタートして36.5km地点で1級山岳ミュール・ド・オレック=シュル=ロワール(登坂距離3.2km、平均勾配11%)と難所が現れるが、残り距離が長いため、勝負どころとはならないとみられる。108km地点で3級山岳コート・ド・ギヨーマンシュ(登坂距離7.8km、平均勾配4.1%)を越え、下りと平坦区間を進んだのち157.5km地点でこの日最後の本格登坂となる3級山岳コート・ド・サンジュスト(登坂距離3.6km、平均勾配7.2%)へ。頂上がフィニッシュ前13kmに位置し、ボーナスポイント(1位通過から8秒、5秒、2秒)も置かれることから、有力選手たちがどのようにレースを展開していくかが見もの。コース全体としては逃げ向きのレイアウトだが果たして。
 ちなみに、フィニッシュ地のブリウドは、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)のふるさと。ここまでは重要局面で精彩を欠き、トップから3分20秒差の個人総合23位と苦戦を強いられているが、地元の期待を胸に意地を見せたいところだ。

15人が早々に10分以上のリード 集団は逃げ切り容認
 サン=テティエンヌの街を抜けてアクチュアルスタートを迎えたプロトンだが、10kmほど進んだところで昨日逃げで魅せたアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)が落車。レース復帰はかなわず、そのままリタイアとなった。

 レースが始まってから少しの間出入りがあったが、15kmを過ぎる頃には14人が集団から抜け出すことに成功。さらに1人が集団からのブリッジに成功させ、15人が先頭グループを形成した。
 リードした15人は、インピー、ベノート、ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)、ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)、マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)、トニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)、サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ)、ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス ソルシオンクレディ)、ロメン・シカール(フランス、トタル ディレクトエネルジー)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)、アントニー・ドゥラプラス(フランス、アルケア・サムシック)。
 先頭グループの中での個人総合最上位は、ロッシュの43位で、トップのアラフィリップからは23分14秒差。いずれも総合争いにかかわらない選手であることから、メイン集団は15人の先行を完全に容認。かたや、先頭グループは勢いをさらに増していき、スタートから40kmを迎える頃にはタイム差が10分にまで開いた。

 この間に迎えた各賞ポイントは、1級山岳ミュール・ド・オレック=シュル=ロワールでベノートが1位通過。山岳賞でワン・ツーを占めるチームメートのティム・ウェレンス、トーマス・デヘント(ともにベルギー)のポジションを守るため、意識的にポイント獲得に動いた。また、92km地点に設けられた中間スプリントポイントはボアッソンハーゲンが1位で通過。ポイントが付与される15位通過までを先頭グループで占めている。
 その後も先頭15人とメイン集団とのタイム差は広がっていく一方。集団はリーダーチームのドゥクーニンク・クイックステップがコントロールするが、ペースを上げることはなく、レース半ばの段階で先頭グループの逃げ切りを許容する姿勢がうかがえるものとなった。
タフな絞り込みを生き残った2人の争い
 逃げ切りが濃厚となった先頭では、フィニッシュまで残り62kmのタイミングでのクラークのアタックをきっかけに、ステージ優勝争いを意識した動きが本格化した。残り45kmではガルシアがアタックすると、ベノートとストゥイヴェンが反応。一時的に3人が前を行くが、決定打とはならない。代わってカウンターアタックに出たのはペストルベルガー。他選手の追随を待つ様子を見せるが、誰も追ってこないことを確認すると独走を開始。第2グループとなった14人に対して最大で35秒のリードを得る。

 約20kmにわたって膠着状態となったが、残り25kmを切って7人が追走を開始。先頭交代を繰り返しながらペストルベルガーを追いかけると、3級山岳コート・ド・サンジュストの上りに入った残り15kmで吸収。すかさずベノートがペースアップを図ると、その脇からロッシュがカウンターでアタックした。
 ロッシュは再三のアタックで人数を絞り込み、付いていけたのはベノートのみとなる。一度はトラトニクが追いついたものの、すぐに振り切られてしまう。その直後に、数秒差で続いていたインピーがアタック。猛然と追い上げ先頭の2人に合流すると、その勢いのまま頂上をトップ通過し、3選手がフィニッシュへとつながる下りへと入っていった。

 残り8.5km、今度はベノートがアタック。わずかな上りを利用しての仕掛けに、ロッシュがたまらず遅れだす。先頭はいよいよ2人に絞られ、後続の追い上げをかわしてフィニッシュへと急ぐ。インピーとベノート、ともに協調体制を崩さず、そのまま最終局面へ。勝負はマッチスプリントにゆだねられた。
 残り1kmを切って、前をインピー、その番手にベノートがつく。そして残り200m、ベノートがスプリントを開始するとインピーをかわして前へ出る。しかし、ここはスプリント力に勝るインピーが残り100mで抜き返すとその後は前を譲ることなく、フィニッシュへ一番に飛び込んだ。

 7回目のツール出場となる34歳のインピー。2013年にはチームタイムトライアルでの勝利をきっかけに、その数日後から2日間のマイヨジョーヌ着用を経験しているが、ステージ優勝は初めて。レース後には「これまでツールで何度か逃げを試みてきたけど、今日ついに夢をかなえられた。今まで何度もステージ優勝まで届かなかったのに、フランス革命記念日に勝ってしまうなんてファンタスティックだ!」と喜んだ。ちなみに、南アフリカ人選手のツール勝利は、2007年第11ステージのロバート・ハンター以来となる。
 このステージは最終的に15位までを、序盤からの逃げメンバーが押さえる結果となった。
急ぐ姿勢を見せなかったメイン集団 各賞に変動なし
 メイン集団は最後まで「レースをしない」選択を行い、約60人が一団のままフィニッシュラインを目指した。中盤まではドゥクーニンク・クイックステップが集団の牽引したが、その後はチーム イネオス、グルパマ・エフデジなど、総合エースが上位に位置するチームがペーシングを担った。

 コート・ド・サンジュストでバルデがペースを上げ、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)とリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)がチェックに動いたが、本格的な攻撃とまでは至らず3人ともに集団へと戻る。ふるさとに錦を飾りたかったバルデだったが、その後はメイン集団の中でフィニッシュへ向かった。
 メイン集団がフィニッシュへと到達したのは、インピーのフィニッシュから16分25秒後。個人総合上位陣はいずれもこの中でレースを終えており、上位戦線に大きな変化はなかった。

 労せずマイヨジョーヌを守ったアラフィリップ。レース後の記者会見では「思い通りのシナリオにできた」と、総合に関係しない逃げの容認をあらかじめ考えていたことを示唆。さらに、「7月14日(フランス革命記念日)をマイヨジョーヌで過ごすことができとてもうれしかった」と1日を振り返った。
 このステージを終えた時点での各賞には変動なし。マイヨジョーヌはアラフィリップ、ポイント賞のマイヨヴェールはペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、山岳賞のマイヨアポワはウェレンス、新人賞のマイヨブランはジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がキープする。チーム総合も依然トレック・セガフレードがトップを走っている。

 翌15日は、サン=フルールからアルビまでの217.5km。3級と4級のカテゴリー山岳が4カ所設けられているが、主催者発表では平坦ステージにカテゴライズ。とはいえ、実際は細かなアップダウンが連続しており、レースの流れ次第ではスプリンターにとって我慢の局面がやってくることも。そして、このステージをもって長かった大会第1週がおしまい。フィニッシュ地アルビで1回目の休息日を迎える。 
【特集インデックス】ツール・ド・フランス2019
第9ステージ結果
1ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)4時間3分12秒
2ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)+0秒
3ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)+10秒
4オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
5ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
6ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ)+14秒
7マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)+21秒
8イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)+1分50秒
9サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)
10アントニー・ドゥラプラス(フランス、アルケア・サムシック)+2分42秒
個人総合(マイヨジョーヌ)
1ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 38時間37分36秒
2ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)+23秒
3ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)+53秒
4ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)+1分10秒
5ゲラント・トーマス(イギリス、チーム イネオス)+1分12秒
6エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス)+1分16秒
7ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)+1分27秒
8リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)+1分38秒
9ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)+1分42秒
10エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)+1分45秒
ポイント賞(マイヨヴェール)
1ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)204 pts
2マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)144 pts
3ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)129 pts
山岳賞(マイヨアポワ)
1ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)43 pts
2トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)37 pts
3ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)30 pts
新人賞(マイヨブラン)
1ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 38時間37分59秒
2エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス)+53秒
3エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)+1分23秒
チーム総合
1トレック・セガフレード 116時間12分24秒
2モビスター チーム+1分50秒
3EFエデュケーションファースト+15分24秒

最終更新:7/15(月) 6:00
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