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犯罪の陰で苦悩する「加害者家族」 実態と支援の現場から(1)

7/16(火) 17:02配信

47NEWS

 真相究明や教訓を導く報道そのものは否定しないが、人権とのバランスが大事だろう。取材には一定の配慮を願えないものか。家族の生活や人権は守られていいはずだ。

 ▽事件直後

 事件が起きて身内が逮捕されると、家族の生活は一変する。普通の人がいきなり針のむしろに立たされる。今後どうなっていくのか見通しが立たない不安が襲う。だが相談できるところはない。世間から逃避し、孤立する。安心できる材料は何もないと言ってよい。

 (身内が事件を起こしたことに)信じられない思いで、心は大混乱に陥る。一方で緊急的な事務は大量に降ってくる。弁護士や警察とのやりとり、勾留中の本人との面会、一時避難先の確保、職場への対応…。裁き切れないが、やみくもに動くしかない。

 少し時間が経過すれば、報道も落ち着き、現実感が湧いてくる。混乱は恐怖に変わる。「消えてしまいたい」「死にたい」との思いが強まる。この時期、精神的に生きるか死ぬかのレベルに置かれる家族も多い。

 私が常に持ち歩いている携帯電話に、わらにもすがる思いで泣きながら相談してくるほど、家族は追い込まれている。自殺の可能性が高いと判断したケースでは、1週間とか10日間とか、気持ちが落ち着くまでこちらから電話をかけ続ける。

 ▽「家族への同罪視」

 日本は昔から家意識が強く、家族をひとくくりにする文化があるとされる。身内が逮捕されると家族は同罪視されやすい。

 周囲から暴言を浴びせられたり、自宅の窓ガラスを破られたり。一番かわいそうなのは家族に未成年がいるケースだ。子どもの情報がSNSのツイッターなどで拡散される。『あいつの兄貴じゃないか?』といった具合に。こうした行動は何も大人だけがするとは限らない。

 一般人となると、未成年者の情報であってもリテラシー(適切に扱う能力)が低い人は多く、結果、拡散され続ける。

 ▽消えず残るネット

 記事はインターネットに出ると、消えずにネット空間とどまり続ける。大手の報道機関であれば、一定期間が経てば記事を消してくれることもあるというが、SNSやブログであちこちに転載されると、こちらが消去を要請することはできても、削除する判断は管理者の一存に委ねられる。

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最終更新:7/16(火) 17:02
47NEWS

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