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犯罪の陰で苦悩する「加害者家族」 実態と支援の現場から(1)

7/16(火) 17:02配信

47NEWS

 ▽息をひそめて

 家族が自殺に追い込まれないために、味方、支えてくれる人の存在が必要だ。まずは配偶者か子どもになるだろう。たとえ普段、信頼している他人であっても犯罪加害の話はできないと考えるべきだ。祖父母や義理の父母もよくないことが多い。「あなたたちのせいで」と責め立てられ、逆の効果が起きることもある。

 夫婦仲が良ければ、二人で協力し合い、外出せずに人目を避けるとか、夜間は家の電気をつけずに息をひそめて過ごすとか、生活に制限を付けてやっていくことになる。

 ▽区切りの20日

 事件発生や逮捕から20日ほど過ぎると、家族の状況は大きく変わる。刑事手続きの流れからすると、検察が起訴を判断するタイミングだ。事件をきっかけとして突然襲ってくるストレスで過覚醒に陥ると、寝られない、眠れない日々を過ごすことになるが、その後、この「20日」の時期を境に急に肉体的、精神的にがくんと落ちてしまうことがある。

 2011年の東日本大震災でも、学校の先生らは子どもたちを守ろうと必死で動いた。その後に活動性が急に落ち、反動で抑うつ的になる傾向があった。

 ▽家族関係の悪化

 この時期には、裁判への準備や被害者への対応が求められるようになる。遺族に一本手紙を入れるべきか。現場に献花しにいかなければ。先を見据えて取り組まなければならない課題を前に、精神的にしんどくなる。

 必ず起きるわけではないが、家族関係は悪化することが多い。混乱の後に訪れるのは家族内での責め合い。夫婦の不和は離婚話に発展する。兄弟関係に限らず家族の一員が婚約破棄に遭うなどの事態が起きうる。子どもがいれば、転校を強いられることも。名字を変えるために離婚を選択せざるをえないケースもある。

 経済的問題も襲う。一家の大黒柱を失えば、暮らしもままならない。生活保護を受給せざるをえない状況にもなりうる。債務関係も頭を悩ませる。逮捕によって住宅ローンや月々の支払いなどが滞る。本人が弁済するのが原則とは言っても、家族が背負うケースも多い。裁判費用や示談金、慰謝料なども見込まれ、それらの負担が重くのしかかる。

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最終更新:7/16(火) 17:02
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