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犯罪の陰で苦悩する「加害者家族」 実態と支援の現場から(1)

7/16(火) 17:02配信

47NEWS

 裁判が終わる頃には、一山は越えているだろう。本人の処遇も決まり、法的に残された手続きは一時よりは少なくなるかもしれない。家族は自身や本人と向き合う時期に入るが、これが実に長い。「自分の育て方が悪かったのか」「あの時なぜ」。後悔は尽きず、事件を起こした本人への恨みや不満も増大する。影響を最小限に食い止めるため、他の家族への配慮も必要だ。そんな中でも働き続けるつらさは表現しがたく、泣くしかない状況だ。

 受刑中も家族の気は晴れない。同じ期間、家族も刑に服しているようなものだ。旅行など贅沢なことはできないし、ご飯はおいしく食べられない。笑ってはいけないような罪悪感にさいなまれる。周囲に思いを吐き出したいが、躊躇する。本人が戻ってきやすい環境を考えると、周囲に知られない方がよいからだ。

 刑事手続きの中で、本人が社会に戻ってくる時期はいくつかある。起訴後であれば保釈。判決による刑の執行猶予。受刑後の仮釈放。そして満期出所。身元引き受けをするかどうかもそうだが、家族は本人との関わり方を巡って葛藤が大きくなる。

 家族が一番望むのは本人の再犯防止と自立だ。「こんな大変なことがもう一度あったら私たちはやっていけない」と思っており、再犯は恐怖でしかない。本人が家族の元に帰ってくれば、家族の生活は再び脅かされかねない。ただ、受け入れることを責任と考える家族もいる。拒否すると「無責任」と責められそう、という葛藤があるのだろう。しかし、現実的に引き受けられない家族もいる。

 ▽被害者性

 加害者家族には被害者としての側面がある。だが同情ではなく、バッシングを集めやすいのが特徴だ。本人はある意味、分厚いコンクリートの塀に守られている。強制ではあるものの、刑務作業に集中できる環境でもある。攻撃対象が塀の中にいることで、社会で野ざらしになっている家族が身代わりになる。

 にもかかわらず、受刑者の中には、家族がひどい目に遭っていることも知らず、関心がもっぱら自己保身という者がいる。「執行猶予にならないか」とか「家族にお金を出してもらえるように頼んでほしい」とか身勝手な希望を口にしつつ、反省の態度は一切示さなかったりする。全てのケースではないが、加害者家族の現実としてある。

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最終更新:7/16(火) 17:02
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