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いまなぜ増える海外客船の日本発着クルーズ

7/16(火) 8:29配信

ITmedia ビジネスオンライン

 いま日本で豪華な客船による船旅、イマドキの言葉でいうなら“クルーズ”に対する関心が高まっている。2016年から19年にかけてこの傾向は、明確な数字として示すことができるほどに、日本のクルーズ市場は大きな変化を見せている。

日本人クルーズ利用者数の推移

2017年から急激な伸びを示す日本クルーズ市場

 国土交通省が発表している「我が国のクルーズ等動向(調査結果)について」は、船旅に関する数多くの指標を公開しているが、日本人クルーズ乗客数は2016年には前年度比12.4%、そして、17年には前年度27.1%と高い伸びを示して30万人を初めて突破した。

 18年は全体で1.8%と伸びは鈍化したものの、依然として30万人を超え、外航クルーズ(上船下船寄港のいずれか、もしくは全てが国外港のクルーズ)では9.1%の高い伸びを示している。今回取材した海外船会社やクルーズ代理店によると、この傾向は19年、そして、クルーズプランが発表されている20年から21年にかけても続くとしている。

 その傾向は海外船会社が運航する大型客船によるクルーズで顕著だ。先ほどの指標でも、外航クルーズでは日本船籍客船が14年から減少傾向にあるのに対して、外国船籍客船は乗客数を着実に伸ばしている(なお、日本船籍客船も国内クルーズの実績においては17年に26.5%という高い伸びを示している)。

 また、日本に来航する外国船籍客船の動向を示す1つの指標となる東京港と横浜港に入港する客船の隻数にも大きく変化している。東京港も横浜港もそれぞれ管轄する港湾局が客船の入港実績や入港予定をWebページで公表しているが、東京港における外国船籍の客船入港は、16年実績の9隻から19年予定は12隻に、横浜港では16年実績の12隻から19年予定は17隻と、どちらも大幅に増やしている。

 また、東京港の入港隻数データを比較すると16年で11回だったのが19年は実に29回と3倍にまで増えた。この外国船籍客船の日本配船増加傾向も今後続くという見方が多い。

 なぜ、海外の船社は日本のクルーズ市場に続々と参入してくるのだろうか。日本人のクルーズ利用者が明らかに増加傾向にあるといっても、その数はようやく30万人を超えた程度の規模だ。その理由と海外船会社が日本のクルーズ市場をどのように評価分析しているのかを知るべく、海外船会社から「キュナード・ライン」と「コスタクルーズ」、そして、日本のクルーズ代理店として「クルーズプラネット」を取材した。

 キュナード・ラインは「クイーン・エリザベス」「クイーン・メリー2」「クイーン・ヴィクトリア」といった名だたる客船を擁し、1840年創業という長い伝統と格式を誇る英国の客船会社だ。現在は米国の客船運航企業カーニバルの傘下にある。日本に対しては、クイーン・エリザベス(総トン数9万900トン、乗客定員数2081人)をピーク時期に合わせて配船する機会が多く、その知名度や人気は日本でもすこぶる高い。

 対するコスタクルーズは、イタリアの客船会社で欧州とアジア海域を中心に26隻の客船を配船している。幅広いクルーズプランを提供しており、その中には低価格で気軽に利用できるクルーズも数多く用意している。コスタクルーズは日本発着クルーズに早期に参入した(シーズンを通した配船は13年のプリンセスクルーズに続いて16年に参入)。現在、「コスタ・ネオロマンチカ」(総トン数5万6800トン、乗客定員数1800人)が日本発着クルーズを4月から10月にかけたシーズンを通して提供している。なお、コスタクルーズもキュナード・ラインと同様にカーニバルの傘下にある。

 クルーズプラネットはクルーズを専門とする旅行代理店だ。H.I.Sグループのクルーズ専門会社として設立し、19年で20周年を迎える。幅広いクルーズ商品を取り扱い、その中には、日本発着クルーズも数多く扱っている。それだけに、国内外の客船や船会社、そして、クルーズ実施にまつわる事情に詳しく、日本におけるクルーズ利用層の動向に対する洞察も深い。

 今回の取材ではキュナード・ライン ジャパンオフィスのコマーシャル・ディレクターを務める浅井信一路氏に、コスタクルーズでは営業部長の小早川隆信氏に、そして、クルーズプラネットでは代表取締役社長の小林敦氏に、それぞれ話を聞いた。

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最終更新:7/16(火) 8:29
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