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パワハラ根絶への「第一歩」 改正労基法施行=韓国

7/16(火) 15:13配信

聯合ニュース

【ソウル聯合ニュース】職場でのパワーハラスメント(パワハラ)を禁止する改正勤労基準法が、韓国で16日から施行された。

 

 今回の改正法は、職場でのパワハラを「使用者または労働者が職場での地位や関係などの優位を利用して業務上の適正範囲を超えて労働者に身体的、精神的苦痛を与えたり勤務環境を悪化させたりする行為」と規定している。

 直接的な処罰規定は設けてはいないが、労働者が10人以上の事業所に対して就業規則に職場でのパワハラ予防や懲戒などの内容を含めることを義務化した。職場でのパワハラに対する処罰よりも、各企業がパワハラ根絶のためのシステムを整備することに焦点を合わせたものだ。

◇企業のシステム整備 パワハラ根絶の第一歩に

 改正法の施行により、企業は就業規則に▼禁止対象となるパワハラ行為▼予防教育▼事件の処理手順▼被害者の保護措置▼加害者への制裁▼再発防止措置――などを記載しなければならない。

 職場でのパワハラ加害者に対する懲戒規定を新設する場合は「労働条件の不利益変更」に当たるため、労働者の過半数の同意を得る必要がある。

 使用者は、職場でパワハラが発生したとの通報があったり、事件を認識したりした場合に速やかに事実確認のための調査に着手しなければならない。

 この過程で、被害者に対しては有給休暇を命じるなどの保護措置を取らなければならない。パワハラが事実と確認されれば、加害者に対して懲戒や勤務場所変更などの措置を行わなければならない。

 使用者が職場でのパワハラの通報者や被害者に解雇を含む不利益を与えてはならず、これに違反した場合は3年以下の懲役や3000万ウォン(約275万円)以下の罰金が科される。

 また、職場でのパワハラによる業務上のストレスが原因の疾病を労災と認める改正産業災害補償保険法も16日から施行される。

 職場でのパワハラを法律で禁止している国は、フランスやオーストラリアなど少数にとどまっている。日本では今年5月、職場でのパワハラ防止を義務付ける関連法が成立した。

 韓国政府は、改正法の施行により職場でのパワハラが間違ったことだという認識が定着し、パワハラ根絶のための第一歩になることを期待している。

 労働部の関係者は「過去にはセクハラが間違ったことだという認識すら薄かったが、現在はセクハラをしてはいけないとの認識が定着しつつあるように、職場でのパワハラも改正法施行を機に徐々になくなっていくだろう」と話す。

◇不明確な基準 定着までに時間も

 職場でのパワハラの概念は明確でないため、改正法の施行初期にはどのような行為がパワハラに当たるのかを巡って混乱が避けられない見通しだ。

 パワハラとみなすためには、職場での地位を含む関係上の優位を利用した行為と判断できなくてはならない。関係上の優位には、年齢、学歴、性別、出身、勤続年数、専門知識、労組の加入有無、正規職かどうかなどさまざまな要素が挙げられる。

 また、問題の行為が業務上の適正範囲を超えていなければならない。例えば繰り返し使い走りをさせるなど、人間関係上認められる範囲を超えて私的な指示を行った場合はパワハラになり得る。

 他にも身体的、精神的苦痛を与えたり、勤務環境を悪化させる行為とみなされる必要がある。

 職場でのパワハラの基準は一律に提示することが難しく、具体的な事情をできる限りくみ取って判断しなければならないというのが労働部の説明だ。

 各企業が職場でのパワハラの予防・懲戒のための就業規則を作成し、具体的な行為について企業の事情に合わせた基準を定めなければならないため、職場でのパワハラ予防・懲戒システムが定着するまでには相当な時間がかかる見通しだ。

最終更新:7/16(火) 15:13
聯合ニュース

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