ここから本文です

本当に怖い“はしか” 夏休みの海外旅行前にワクチン接種を!

7/16(火) 7:30配信

Medical Note

東京オリンピック・パラリンピックまであと1年となりました。今年9月にはラグビーワールドカップ日本大会も開幕します。このような国際的なイベントでは、多種多様な国の人々が1カ所に集まる機会が多くなります。すると日本国内では流行していない感染症が、海外から持ち込まれる可能性が高くなります。中でも最も懸念されるのが麻疹(はしか)です。日本国内では免疫が不十分な人が少なくないため、持ち込まれれば大規模な流行になる危険性があります。また、夏休みに海外旅行に出かける予定がある人は、渡航先で感染する可能性もあります。どのような備えがあれば安心でしょうか。【藤沢市民病院臨床検査科・清水博之/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇東南アジア旅行から帰国後に発熱

もともと健康で元気だった20代男性Aさんは、東南アジアに7日間の旅行をしました。現地では世界遺産などの名所を巡り、アクティブに過ごせたようです。日本に帰国して10日目から38℃台の発熱と、せきや鼻水が出はじめました。近くの内科を受診したところ“風邪”と診断されて、解熱薬やせき止めをもらいました。3日ほどして、一旦平熱に戻りましたが、その翌日から再度発熱、同時に全身に発疹が出てきました。解熱剤を飲みながら、何とか仕事を続けていましたが、徐々にせきも悪化してきたため、もう1度内科を受診しました。

Aさんを診察した医師は当初、症状から一般的な風邪と考えました。しかし、2回目の受診時には発疹が出ていたため、普通の風邪とは違うのではないかと思い、いくつかの感染症を頭に浮かべました。海外での感染も考えて、「最近海外旅行に行っていませんか」と尋ねたところ「2週間くらい前まで東南アジアを旅行していました」「もうだいぶ前のことなので、今の熱や発疹は関係ないですよね?」と答えが返ってきました。

日本では少なくなっても海外では流行している感染症はたくさんあります。また、感染症の原因になる病原微生物によっては、感染してから発症するまでの期間(これを潜伏期間といいます)が長いものもあります。特に発疹が現れるウイルス感染症として有名な麻疹、風疹、水痘(水ぼうそう)などは、いずれも2週間ほどの潜伏期間があります。Aさんは帰国して10日目に症状が出てきたので、渡航先で感染した可能性は十分にあるということになります。東南アジアに滞在していたこと、症状の経過から、医師は麻疹が疑わしいと考えました。

1/3ページ

最終更新:7/16(火) 7:30
Medical Note

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事