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松山英樹が使った「12年前のユーティリティ」を自腹で買って打ってみた

7/16(火) 11:33配信

みんなのゴルフダイジェスト

PGAツアー「3Mオープン」を7位タイでフィニッシュした松山英樹。その試合で松山が使用したユーティリティがテーラーメイドの「バーナーレスキュー」。なんと12年前のモデルだ。一体どんなクラブなのか、松山のクラブは基本的に購入して試すというゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが今回も買って、打った!

松山英樹のドライバー連続写真

「飛ばないユーティリティ」を選んだ理由を探る

「3Mオープン」では、初日「64」と好スコアをマークし、優勝争いの末、7位に終わった松山英樹。優勝がないので、不調と思う向きもあるが、今季5回目のベスト10フィニッシュ、予選落ちなしと確実に調子は上向いている。

そんな松山だが、ユーティリティがテーラーメイドの「バーナーレスキュー」に変わっていた。これはなんと12年前のモデルだ。なんでも、松山自身が学生時代に購入したものらしい。

「バーナー」という名前のクラブは数あれど、2007年に発売されたモデルは同時代から非常に評価が高く、通称「07バーナー」などと呼ばれている。それ以前の時代のクラブは、プロ・上級者向けの難しいモデルと、よりアベレージ層向けのやさしいモデルがラインナップされていて、やさしいモデルには、プロは見向きもしなかったものだ。

ところが、「07バーナー」はプロや上級者にも使用者が多く、アマチュア同様のやさしいモデルをプロが使う契機になった。投影面積が大きい深低重心で、低スピンで飛ばせる、その先の時代を予見するようなクラブだった。とくに、オープンフェース仕様の「バーナーTP」の評価が高い。

以上は、ドライバーの話で、正直、ユーティリティにはあまり印象がなかった。そこで松山と同じ19度を自費購入して、試打を行ってみた。

当時は、クラウン部にデザインされた大きなT字のアライメントに違和感を感じたものだが、今となってはもはや普通に見える。形状はオーソドックスな丸い顔でネック部分がスッキリしている点と、座りの良さが印象的だ。

さて、打ってみると19度でも意外とボールは上がる。打ち出し角は高く、バックスピンもしっかり入る。当時としては、フェースの弾きを強くした設計だったようだが、今打ってみると弾き感は物足りず、なんだか飛んでいない感じがする。逆に言えば、フェースの喰いつき、球持ちがいいのが特徴だ。

今季、これまで松山が愛用していたユーティリティは、ピンの「G410 ハイブリッド」。こちらを打ってみると、高い打ち出し角は変わらないものの、曲がりは少なく、スピン量は少なめになる。比較すると、フェースの弾きは強く、実際に飛距離も出ている。松山のヘッドスピードなら、10~15ヤードくらい飛距離差が出てもおかしくない。もちろん、「G410 ハイブリッド」のほうが飛ぶだろう。

さて、松山がわざわざ12年前のクラブをバッグに入れたのはなぜだろうか。理由として考えられるのは、やはりバックスピン量の多さだ。「G410 ハイブリッド」と比べると、数百回転/分の差がある。スピンが多いということは、それだけコントロールでき、ボールも止めやすくなるということ。このクラブで220~240ヤード先のグリーンを狙う松山にとって、高さとスピンで止められて、球筋をよりコントロールしやすい性能を評価したのではないだろうか。

現代のユーティリティは、12年分の進化を遂げているわけで、ボール初速は速く、高弾道低スピンで距離を出しやすい。しかし、松山自身はもう少しフェースの潰れ感があり、ボールを止めやすいクラブを求めているのではないだろうか。これは、PGAツアーのプロが、フェースの弾き感が強いアイアンではなく、軟鉄一体成型のマッスルバックアイアンに代表される、飛ばないアイアンを好むのとおなじ理屈だ。

この特性は、このクラブを全英オープンで使わない理由にもなる。風の強いリンクスコースには、弾道が高くスピンが多くなるクラブは不向きだ。おそらく「G410 ハイブリッド」に戻すか、より低弾道が打てるクラブへの変更があるだろう。

ドライバー選びは、テーラーメイド「M5」に落ち着きつつある松山だが、ユーティリティ選びはもう少し続くかもしれない。現行モデルでは、松山が求めるような特性を持つクラブが少ないだろうからだ。

コヤマカズヒロ

最終更新:7/16(火) 11:33
みんなのゴルフダイジェスト

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