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《ブラジル》年金改革=歳出削減効果は10年で8千億レアルか?

7/16(火) 21:43配信

ニッケイ新聞

修正動議で歳出削減効果縮小へ

 先週9日に始まった年金改革案の下院本会議審議は連日、日付が変わるまで審議、採決を繰り返し、基本文書が10日に承認された後も、修正動議の採決が12日まで長引いた。
 ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は当初、2週間程の休暇に入る18日より前に2度目の下院採決を行いたいと考えていたが、2度目の下院採決は休暇明けの8月6日以降になりそうだとの見解をオニキス・ロレンゾーニ官房長官が明かした。13~15日付現地各紙・サイトが報じている。

 社会保障改革案の基本文書は10日に379票の賛成を得て、1回目の承認がなされた。だが、その後の修正動議の審議で、INSS年金満額受給に必要な年金負担年数が40年から35年に修正されたり、教育や治安系の職務に就いている連邦公務員(教員、警察官、刑務所職員、少年院職員など)の受給条件が緩和されたりした。

 政府の経済政策班は「国家歳出削減効果はまだ、10年間で9千億レアルを保っている」としているが、社会保障問題に詳しい経済学者のパウロ・セルジオ・タフネル氏は、現行案の歳出削減効果は10年間で8200~8500億レアル程度と概算している。
 タフネル氏は、「歳出削減効果は当初の1兆レアル規模から、8千億レアル程度に落ち込んだが、2年前成立目前まで行っていたテメル政権の案(JBSショックで頓挫)では、削減規模は4200億レアル程度だったことを忘れてはいけない」と語る。

 これに対し、経済省社会保障労働特別局のロジェリオ・マリーニョ局長は、「歳出削減規模は9千億レアルを割り込まないはず。6月に承認された年金不正受給の防止関連暫定令、MP871が機能し始めれば、10年間で2千億レアルの歳出削減となり、合わせて1兆1千レアルの削減」と語る。
 ただ、本来の歳出削減規模は、年金不正受給防止MPの効果を計算にいれずに計算されていたはずなのに、今になってそれを持ち出すのは、1兆レアル削減を望んでいたゲデス経済相への忖度の域を出ない。

上院既に賛成多数の情勢

 また、15日付現地紙は既に、上院での票読みを掲載した。社会保障制度改革の成立には、上院でも定数81の60%以上、49票の賛成が2回必要だ。
 下院で修正動議の審議と採決が行われていた時点で、上院でアンケートを行ったところ、42人が社会保障制度改革に賛成、11人が反対、15人が「修正動議の採決結果が出るまで返答できない」、7人が捕まらず、1人が「決めかねている」、4人が「答えたくない」だった。残る1人は明記されていないが、ダヴィ・アルコルンブレ議長(DEM)だと推定される。

最終更新:7/16(火) 21:43
ニッケイ新聞

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