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「加害者家族」を支援する理由 幅広く、息長く寄り添う(2)

7/17(水) 15:52配信

47NEWS

 犯罪が起きると、ごく普通の家族が突然、加害者家族となり、過酷な状況にさらされる。NPO法人スキマサポートセンター(大阪市)はこれまでに加害者家族から450~500件の相談を受けてきた。理事長の佐藤仁孝さん(36)に支援の実際を聞くと、支援が必要になるタイミングは多岐にわたり、ニーズは多様で、幅広く息の長い支援が求められていることが分かった。

(構成/共同通信=大阪社会部・真下周)

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 ▽家族が持ちこたえたら

 私たちが加害者家族を支援する理由は二つある。一つ目は人権上の観点だ。家族の人権や生活、プライバシーは守られていいはず。特に子どもには一切の責任がない。二つ目は再犯防止に資するから。事件が起きると家族は経済的に困窮し、社会的なダメージを受け、精神的にも参ってしまう。本人を見放してしまいがちだ。ここで適切な支援が入り家族が持ちこたえたら、本人が社会復帰した際には受け皿として機能する可能性がある。

 加害者家族には三つの側面がある。①犯罪を引き起こした原因としての家族②再犯抑止の観点から語られる家族③被害者としての家族だ。③はこれまで支援の必要性が語られず、ほとんど手つかずだった。ここ数年少しずつ理解が進んできた。

 仮に、家族に犯罪の原因としての側面が大きかったとしても、私たちはニーズがあれば家族に支援の手を差し伸べる。『あなたたちが悪い』と言って放置することはできない。加害者が戻ってきた時に同じことが繰り返されるのを防ぐためにも、家族への関与はあった方がよい。

 海外における加害者家族支援は数十年前に始まっている。イギリスでは民間の支援団体「Action for Prisoners’ Families」によって、電話相談などの社会的支援が展開されている。逮捕する段階で、警察が家族に支援団体の存在を伝え、つながるようアドバイスしてくれることもあるという。

 アメリカには多数の国立と州立の支援機関が設置され、家族療法を用いた介入を行い、効果の検証が進められているようだ。カナダでも、ヴィクトリア州の刑務所の脇には家族がミーティングできる場所が併設されているという。一方、オーストラリアでは被疑者や受刑者の子どもに焦点を当てたグループワークも実施されていると聞く。

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最終更新:7/17(水) 16:29
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