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JAL、整備士訓練にVR教材 エンジン試運転再現

7/17(水) 23:45配信

Aviation Wire

 日本航空(JAL/JL、9201)は7月17日、VR(仮想現実)技術を用いた整備士の訓練教材を、東京・天王洲のJAL本社近くにある「JALイノベーションラボ(JAL Innovation Lab)」で公開した。リージョナルジェット機のエンブラエル170(E170)とE190の整備士を対象に訓練トライアルを行い、VR教材の効果を検証する。

◆音声や計器の動き再現

 JALは、整備作業に必要なエンジン試運転の工程をCGで再現したVR訓練教材を、東芝システムテクノロジー(東京都府中市)と開発。訓練トライアルで、VR教材を補助ツールとして訓練課程に加えることで、操作の習得が向上するかを9月まで検証していく。

 VR空間の制作は、E170とE190の整備訓練教官が監修。実際の音声や計器の動きを忠実に再現したという。VR訓練教材の活用で、整備士は時間や場所を問わず、エンジンの試運転作業を学べるようになった。訓練後はテストモードで動作の正誤確認が可能で、習熟度を自ら確認しながら学習できる。

◆実機の不具合減→訓練環境創出へ

 17日に開かれた説明会では、JALエンジニアリング人財開発部の酒井敏行部長らが概要を説明。訓練教官によるデモも実施された。

 酒井部長は「訓練を最短で完了させ、シミュレーター訓練へ円滑に移行することにより、効率を上げるとともに訓練品質を高く保つことができる」と、VR訓練の導入の狙いを語った。

 VR訓練教材は、ノートパソコンとヘッドセット、コントローラーで構成。「押す」「回す」など手の動きが直接再現されるのではなく、画面上でポインターを操作したいボタンやレバーに合わせ、コントローラーのボタンを押すことで事前に設定した動きが実行される。ボタンやレバーの操作、表示された数値の確認のために視線を向けるなどの動作にあわせて、次に行う手順がコックピット内に示される。

 現時点ではエンジン始動のシミュレーションのみ体験でき、今後は不具合の修復など、ほかの手順も必要に応じて追加していくという。コックピットをイメージした模型で行っていた訓練をVRに置き換えることで、作業の習熟度や期間の短縮、コストなども含めて効果を検証し、導入の可否を判断する。

 現在の訓練では、コックピットの模型やシミュレーターが使われ、整備士が操作を学習している。近年は、航空機の信頼性向上で不具合の発生が減り、整備士が実際の航空機で作業を経験する機会が減少しているという。このため、整備士が実機に近い環境で、体感しながら学習する機会の創出が求められていた。

 E170とE190は、JALグループで地域路線を担うジェイエア(JAR/XM)が運航。VR教材で再現した、実際の整備作業に近い環境を活用し、整備士の技術習熟の向上を目指す。

Masahiro SATO

最終更新:7/17(水) 23:45
Aviation Wire

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