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“振り感そのまま”に硬さを変える 青木瀬令奈がすすめるアイアンの番手ずらし【女子プロから学ぶセッティングのスパイス】

7/17(水) 17:39配信

ゴルフ情報ALBA.Net

アマチュアゴルファーは女子プロのスイングを参考にしたほうがいいといわれている。なぜなら女子プロの平均的なヘッドスピードは、一般的な男子アマチュアゴルファーの平均値、40m/sと同程度だからだ。

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だが、本当に参考にできるのはスイングだけだろうか。女子プロたちもアマチュアと同じように「球が上がらない」、「スピンがかかりすぎてしまう」といった多種多様の悩みを抱えていて、それを矯正しているのはスイングだけでなく14本のクラブたちなのである。

そこで、女子プロたちがクラブセッティングにしているちょっとした工夫=スパイスをピックアップ。クラブ選びの参考にしていきたい。今回は青木瀬令奈のアイアンのシャフトで見た一工夫を紹介しよう。

青木といえば153cmとツアーでも決して大きいとはいえない体格ながら、研ぎ澄まされた感覚から繰り出される多彩な技で2015年に初シードを獲得して以降、第一線で活躍してきた。また、15年に大西翔太氏に師事してからアッパーブローにスイングを変え、“飛ばない青木”から脱却したことでも話題を集めた。

とはいえ、年々試合数が増加する国内女子ツアー。いよいよ今年は39試合となりオープンウィークはなし。4日間の試合も増え、よりタフな環境となっている。その中で小柄な青木が1年間戦うためには、ギアの工夫も必要となる。

だが、青木は「クラブ契約フリーになると幅が広くなりすぎてしまいます。私はメーカーという枠はあるなかで、色々な工夫をしていきたいタイプ」とクラブ契約フリーではなく、ダンロップとクラブ契約をしているため、使用できるモデルは限られる。その限られたクラブに様々な工夫をほどこして、自分に合うようにカスタムしているという。その一つが、今テストしているアイアンシャフトの『番手ずらし』だ。

『番手ずらし』とは言葉通り本来の番手用とは異なるシャフトを入れること。例えば本来5番アイアンに入れるシャフトを6番アイアンに入れると、通常よりもやわらかいシャフトとなる。青木も元々長い番手用のシャフトを短くカットして挿している。

「硬さSとSRとRが一般的ですが、さらにそのあいだが欲しいというときに、ちょうどあいだを埋めてくれるのが番手ずらしだと思っています」(青木)

「サポートしてもらっているから私はすぐできることなのですが」、という前提の元、アマチュアにも番手ずらしをすすめる。

「意外と番手ずらしを知らない人が多いかもしれない。でも、自分の振り感とシャフトのやわらかさを突き詰めることで、お上手な方でも、もう一段上に行けると思います。ヘッドが戻ってくるタイミングとかの理想を追い求めても面白いのかなと思います。そういったときにテクニックの一つとして頭に入れておくといいのかな」

小平智もやっているというアイアンの番手ずらし。プロコーチ&クラブフィッターの筒康博氏がより詳しく掘り下げて解説する。

筒は番手ずらしについて「気に入ったシャフトを“もう少しだけ振り心地や挙動を変えたい時”に使うリシャフトテクニックです」と説明する。「基本的には、トップから切り返し時の振り心地をしなやかにしたい場合は長い番手のものを入れたり、インパクト時のしっかり感を出したい場合には短い番手のものを装着したりします」とそれぞれの変更するメリットを挙げた。

特に大事なのがこの『振り心地』。青木が『振り感』と表現したものである。「シャフトの持つ重量感や先端の挙動を大きく変えずに、番手ずらしによる手元側のしなり感を少しだけ変えることで、スイングのタイミングを変えることなくクラブの動きを同調させる狙いがあります」。このスイングのタイミングが大事なのだ。シャフトの種類を変えればもちろん、フレックスを変えるだけでもこの“タイミング”はズレてしまう。

あくまでも入念なフィッティングが必要なこの方法。大前提として筒が話すのは「まずは自分にあったシャフトを見つける事が先決。じっくりと試打した上で行う作業なので、ショップの人に相談しましょう」ということ。本当にそのシャフトが自分に合っているかどうかの見極めが大事なのだ。

「アイアンは、フルショット以外にもコントロールしてスイングすることも多いクラブ。例えば、お気に入りのアイアンセットで短い番手だけシャフトが硬く感じる場合はフルショットをしていない可能性が高いです。かといって軽いシャフトにはしたくないので、番手ずらしを行なって少しやわらかくする方法が有効です。逆にタイミングが合っているけど少しインパクトで当たり負けすると感じたり、高さやスピンを抑えたい場合には、青木選手とは逆で長い番手に短い番手用のシャフトを挿すと基本的にシャフトの先端部が硬くなりますから有効です」

解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。

(撮影:上山敬太)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:7/17(水) 17:39
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