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球持ちがいい投手は好投手ってホント?ピッチングへの影響をデータで検証

7/17(水) 11:20配信

Baseball Geeks

「あの投手は球持ちがいいから、いい投手」「打者の近くでボールをリリースしろ」
このように「球持ち」を肯定する指導者や解説者の言葉を耳にしたことがあるだろう。今回は2018年のメジャーリーグの「エクステンション」というデータを使って球持ちの秘密を探っていきたい。
エクステンションとは、ボールリリース時のピッチャープレートからリリース位置までの「ホームベース方向の」距離である。イメージとしては、投手の真上(上空)から見たプレートとリリース位置の差である。
この位置はあくまでマウンドを基準にした距離であるため、いわゆる球持ちとは厳密には一致しないことに留意しつつ分析を進めていく。

打者に対する「球持ち」の効果

効果を検証する前に、なぜ指導者や解説者が球持ちを肯定するかを考える。球持ちを支持する理由として、以下の2つが考えられる。
ひとつは「相手打者の打ちにくさ」、もうひとつは「投手が投げるボールの良しあし」だ。
本稿では2018年に投球された全ての4シーム、約25万球を対象にエクステンション1センチ毎の各データの変化を分析し、投打の両面から球持ちの効果を考えていく。

まず、エクステンションの長さが相手打者にどのような影響を与えているのかを見ていく。
エクステンションと平均被打球速度の関係を示した(図)。バラツキが大きいものの、少しずつ被打球速度は低下している。

また、空振り割合との関係を見ても、エクステンションが大きくなるにつれて少しずつ空振りが増加していることがわかる(図)。これらの結果を総合すると、わずかではあるものの定説通り「球持ちが良いボールは打者が打ちにくい」ように感じる。
しかしながら、これだけで安易に「球持ちの効果」を判断してはならない。本当に球持ちの効果であるかという問題を考えなければならないのである。

投げるボールの「球持ち」の効果

次に、投手のボールという観点からデータを見てみたい。エクステンションと平均球速の関係を示した(図)。平均を超えるあたりまでは球速が高まっている。力積(力が作用した時間と、その力との積)の観点から考えると、エクステンションが大きくなるにつれボールに長い時間力を与えることとなり、スピードが高まりやすいのかもしれない。
空振り割合は球速と高い相関にある。先述した空振り割合にも少なからず球速の効果が影響していると推察される。

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最終更新:7/17(水) 11:47
Baseball Geeks

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