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【特集】食物アレルギーと大災害 “災害弱者“アレルギー児を守る「防災ハンドブック」を作った思い

7/17(水) 14:05配信

MBSニュース

食物アレルギーの子どもたちは災害時「災害弱者」になる

食物アレルギーを発症するのは大半が小さな子どもたち。卵、乳製品、小麦のアレルギーが多く、中にはほんのわずかな量でも原因の食材が口に入っただけで、アナフィラキシーと呼ばれるショック症状を起こす子もいて、放っておくと死に至る危険もあります。こうした重い食物アレルギーの子どもたちは、豪雨や大地震などの災害時「災害弱者」になるといいます。

「大災害が起こった瞬間から食べ物に困る。周りの人は食物アレルギーが災害弱者だという認識はあまりないが、患者さん自身もなかったりする。」(神戸市立医療センター中央市民病院・小児科 岡藤郁夫医師)

国は2014年、アレルギー疾患対策基本法を制定し、アレルギーの知識を普及させ生活環境の整備なども進めることを決めました。

しかし、災害時に配られる非常食や炊き出しで、アレルギー対応をしていくことは混乱する被災地で難しいのが現状です。事実、国が去年の西日本豪雨でまとめていた被害状況の報告書では、「避難所などでアレルギー食の不足などの要請は上がってきていない」とされていました。大森さんたちがSNSなどで受けていたメッセージとは異なる報告書が上がっていたのです。

被災地での経験をいかした“防災マニュアル”づくりへ

被災地で経験したことを次にいかしていくことはできないか。今年1月、大森さんの呼びかけで、ある会議が開催されました。

「アレルギーっ子のお母さんが、(災害時に)どういうことを知りたいか、マニュアルを作成し、ダウンロードできるようにしたい。」(会議で話をする大森さん)

災害時の食物アレルギーの子どものための“防災マニュアル”を作ることにしたのです。会議にはアレルギーの専門医や全国の患者会のメンバー、アレルギー配慮食品を作っているメーカーも参加しました。

「東日本大震災で支援活動した経験をいかして、何かお役に立てれば…」(岩手県の患者会代表)

「西日本豪雨のときには、皆さんからの支援で身も心も助けられて患者さんもすごく喜んでいた。」(広島県三原市の患者会代表)

話し合いでわかってきたのは、被災地でお母さんたちが「食物アレルギーがあります」と周りに言いづらいということでした。

「『何が欲しいですか?』と聞いても、なかなか声があがってこなくて。『もっと大変人がいるだろうから自分はまだ頑張れる』と。踏み込んで聞かなかったら、大変な状況なのに声をあげてもらえない状況」(広島県三原市の患者会代表)

また、せっかく届いた支援物資が手元に届かなかったという意見も。

「一般の支援物資と混在していた。アレルギーの支援物資と(一般の支援物資を)分けている行政はあまりないのでは」(岩手県の患者会代表)

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最終更新:7/17(水) 14:05
MBSニュース

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