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政治は男の仕事?性別分業意識根強く 4月の統一選の女性割合10.4%

7/17(水) 10:09配信

西日本新聞

 福岡県筑紫野市の女性(39)から特命取材班に「議員に女性が少ないのはなぜ?」と疑問の声が届いた。小学2年と中学1年の子を育てながら、非常勤講師として働いている。「子育てや女性関連の政策は長期的な視点に欠け、人気取りに使われている気がする。当事者の気持ちが分かる議員さんって、どれぐらいいるのでしょう」-。

【写真】伊万里市議に初当選した加藤奈津実さん「子育て中の人や若い世代のリアルな声を市政に届けたい」

 調べてみると、例えば国会議員に占める女性の割合は衆院1割、参院2割。国際的に見てもかなり低い。

 男性中心の議会を変えようと、政党に候補者の男女数をできるだけ均等にするよう求めた「政治分野の男女共同参画推進法」が昨年5月、施行された。今年4月の統一地方選は施行後初の大型選挙となったが、目標には程遠く、当選者の女性割合も10・4%(41道府県議)にとどまった。

 「女になんか政治を任せられるか」。福岡市議に初当選した成瀬穫美(えみ)さん(50)は有権者に声を掛けられた。女性からも。特に引っ掛かっているのは、小学生の子がいる成瀬さんに「子どもは大丈夫? 誰が見ているの?」と心配そうに尋ねてくる人の「善意」だ。

 「男性候補者にはきっと尋ねない。今でも、子育ては女性の仕事だと疑いもなく思っている人がいる事実を突き付けられた」。思いやりににじむ性別役割分業意識。政党だけでなく社会全体に、根を張る。

目標と現状、その差はどうしたら埋まる?

 男性の育児休業で、日本の制度は世界一-。6月、国連児童基金(ユニセフ)が発表した報告書が話題になった。給付金などの充実が評価され、41カ国中1位に。一方で「実際に取得する父親は非常に少ない」「社会的に受け入れられるようになることが必要」とも指摘された。男性の育休取得率は6・16%(2018年度)。80%を超える女性との差は縮まらない。

 第2次安倍晋三内閣は、成長戦略の柱に「女性活躍」を据えた。議員や企業の管理職など指導的地位に占める女性の割合を、20年までに30%にすることを目標に掲げる。現状は厳しい。民間の女性管理職の割合は12%にとどまる。

 そもそも女性の半数近くが第1子出産後に仕事を辞める。女性労働者の56%は非正規雇用。安倍首相が「女性活躍」を口にする機会も、めっきり減った。

 制度と意識、目標と現状。その差はどうしたら埋まるのか。

 ジェンダーと政治に詳しい申〓榮(シンキヨン)お茶の水女子大准教授は「女性議員が増えれば民間でも女性登用が進むなど、性別役割分業をなくす原動力になる」と指摘する。「子どもがいる女性が就く仕事」として最も難しいとイメージされるのが政治家であり、そこに女性が増えれば「女性を取り巻く環境や人々の意識は改善する」と話す。

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最終更新:7/17(水) 10:31
西日本新聞

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