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昭和アイアンを見て実感。日本のコースで使える“専用道具”の必要性

7/17(水) 16:30配信

みんなのゴルフダイジェスト

「ジャンボMTN III」「TN-87」などの“名器”と呼ばれる昭和のマッスルバックアイアンと、現代のマッスルバックアイアンには形状に明確な違いがある。その違いはなぜ生まれ、ゴルファーになにをもたらすのか? アイアンの進化を、ギアライター・高梨祥明が改めて考えた。

昔の国産プロモデルが発する、ジャパニーズアイアンの“クセ”

久しぶりにブリヂストンの「ジャンボMTN III」やミズノ「TN-87」など、昭和時代に一斉を風靡した国産プロモデルアイアンを構えてみたが、やはり昔っぽいアドレスルックをしているなぁと改めて感じた。バックフェースだけを見れば、今どきのマッスルと遜色ないように見えるが、構えた時の顔カタチには時代が大いに反映されていると思った。

最も大きな違いは、ヒール側の高さにある。昭和の名アイアンはヒールのポケット部が高く、現在のアイアンはここが総じて低い。ヒールが高いとネックとトップブレードのつながり部に包み込むようなカギ型の出っ張りが表れる。現代モデルにはこの出っ張りがないため、シュッと直線的にトップラインが立ち上がっていくのである。

90年代まで、国内メーカーアイアンの基本は前者であり、米国メーカーアイアンのシェイプは後者だった。以前、キャロウェイのチーフデザイナーであるロジャー・クリーブランド氏がいっていたのだが、「日本人ゴルファーが好むアイアン形状は、ジャンボ尾崎や中島常幸がベン・ホーガンとスポルディングのアイアンの影響を強く受けて完成させたもの。一方、米国内で人気があるアイアンシェイプは、マグレガー(ニクラウス)の影響が強い」のだそうだ。

今は昔ほど両国のゴルファーの間で好みのアイアンシェイプがくっきり分かれているわけではないが、日本モデルを考える時は「ジャンボやトミーが作ってきた日本特有のスタンダードを意識しながらバランスを考える」のだそうだ。

脱グローバル化!? 米国式ウェッジで日本式アプローチをする難しさ

さて、ではなぜこうした日米アイアンのシェイプの違いが生まれてきたのか? それについてもう少し突っ込んで考えてみたい。ひとつ大きな要素として考えられるのが、日本と米国のトッププレーヤーが好むウェッジに大きな違いがあったことだ。80~90年代の日本で好まれたのは、丸型大型の“グースネック”で、米国では雫(しずく)型でコンパクトな“ストレートネック”ウェッジが好まれた。

それでは、日本国内で育まれた“グースネック”と、米国生まれで今やグローバルスタンダードとなっている“ストレートネック”ウェッジを改めてご覧いただきたい。ホーゼルとトップラインのつながりが、先のミドルアイアンの新旧の違いと見事にリンクしていることがお分かりいただけるだろう。

今、日本のゴルファーもほとんどが「ボーケイデザイン」や「クリーブランド」などの米国式雫型“ストレートネック”ウェッジを愛用している。国内メーカーでさえ昭和っぽい国産プロモデルアイアンを作らないのは、現在の市場に丸型大型“グースネック”ウェッジに対するニーズがほとんどないからでもある。

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最終更新:7/17(水) 16:30
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