ここから本文です

こうして「かわいい」はつくられた。原田治の回顧展が世田谷文学館で開幕

7/17(水) 19:00配信

美術手帖

原田治の名を知らなくとも、原田によって生み出されたキャラクターに見覚えがある方も多いのではないだろうか。ミスタードーナツのプレミアム(景品)や、カルビー「ポテトチップス」のマスコットキャラクター、そして東急電鉄の車窓に貼られる「ひらくドアにごちゅういください」と、クマが注意喚起するステッカー。

1970年代後半から90年代にかけ、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMU GOODS(オサムグッズ)」の生みの親でもある原田の没後初となる展覧会が世田谷文学館で幕を開けた。

担当学芸員の大竹嘉彦(世田谷文学館主任学芸員)は、本展について次のように語る。「生前、原田治に関する展覧会はそのほとんどがOSAMU GOODSにフォーカスしたものでした。今回は、イラストのみならず趣味やパレットクラブの活動など、原田さんの多面性を見せる初めての展覧会になっていると思います」。

原田は1946年東京・築地生まれ。幼少期から絵を得意とし、7歳のころから抽象画家、川端実のアトリエに通い始めた。青山学院中等部・高等部を経て多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、1年ほど欧米を遊学する。

幼少期から晩年期まで、原田の歩みをたどる本展。その会場冒頭では、原田が影響を受けたシーモア・クワストの作品と、各ページにイラストが描かれたメモ帳が展示されているが、ここではカラフルな壁紙にも注目してほしい。

本展のカタログや広報物などのアートディレクションを行う服部一成のアイデアだというこの壁紙。会場で実際にメモ帳に触れることができない代わりに、その中身を壁紙として楽しめるようにという意図によるものだ。

欧米から帰国した原田は、70年に雑誌『an・an』創刊号でイラストレーターとして実質デビューを飾る。自著『OSAMU GOODS STYLE』(ピエブックス、2004)のなかでは、「5年で約10種類の描写スタイルを編み出して、様々なタイプの需要に応じることができました」と当時を振り返っているが、初期はオールラウンドのイラストレーターを目指していたという原田の、多彩な筆致をここでは見ることができる。

1/2ページ

最終更新:7/17(水) 19:00
美術手帖

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事