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「虫送」の文字、夜空焦がす 白山・横江、令和の継承へ決意新た

7/17(水) 1:24配信

北國新聞社

 300年以上の伝統を持つ白山市指定無形民俗文化財「横江の虫送り」が14日、同市横江町で行われ、豊作を願う「虫送」の火文字が夜空を焦がした。同町では町一帯にあった荘園・横江荘(よこえのしょう)が奈良・東大寺の所領だった史実にちなみ、周辺で育てた古代米を寄進するプロジェクトが進められており、関係者は令和の時代にもふるさとの農村文化を受け継ぐ心意気を新たにした。

 虫送りでは、横江町の宇佐八幡神社から地元青年会の太鼓を先頭に、町内の子どもからお年寄りまでが行列をなした。住民は、東大寺への寄進に向けて5月に地元親子が植えた古代米「紫黒米」の水田周辺など農道を練り歩き、害虫を追い払うカンテラやたいまつの炎で照らした。

 市内外から集まった応援太鼓も合流し、行列が神社前に戻ると、縦約2メートル、横約4メートルの特設アーチに火がともされた。若衆が火の粉を浴びながら火文字を背に勇壮に太鼓を打ち鳴らした。熱気が最高潮を迎え、大かがり火を囲んで一層激しくばちを振るう姿に多くの見物客が沸いた。境内では子ども相撲も行われた。

 国史跡「東大寺領横江(よこえの)荘(しょう)遺跡」近くで育てた古代米を東大寺に奉納するプロジェクトは、荘園が立荘1200年を迎えた昨年から、横江町を含む郷地区町内会長会が始めた。今年も10月に稲を刈り、収穫した一部を寄進する予定だ。

 プロジェクト実行委員長の中村晃さん(64)は「子どもたちに虫送りでも巡った水田の古代米を食べてもらい、地域の伝統文化に触れるきっかけになればうれしい」と話した。

北國新聞社

最終更新:7/17(水) 1:24
北國新聞社

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