ここから本文です

滝ケ原石橋群保全へ3D化 金沢工大、修復の基礎データに

7/17(水) 1:24配信

北國新聞社

 金沢工大は16日までに、小松市指定文化財である同市滝ケ原町のアーチ型石橋の構造を解析し、3次元(3D)でデータ化した。初の試みで、明治期以降に建造され、老朽化している石橋の修復、保全の基礎資料として活用してもらう。アーチ型石橋群は日本遺産「珠玉と歩む物語」(小松の石文化)を象徴する場所でもあり、里山を背に描き出される柔らかな曲線美を後世に伝える後押しをする。

 アーチ型石橋は、中央に要石を配して橋の両側から荷重を支える構造。藩政期から石材業で栄えた滝ケ原町には、地元で産出される滝ケ原石で建造された五つの橋が現存するが、多くは1900年代初期に架設されて損傷が目立つ。

 金沢工大工学部の鈴木亮一教授が昨年度から学生とともに現地で計測などを進め、5橋の中で建造時期が最も古いと伝わる東口橋の構造を3Dデータ化した。

 さらに、橋に用いられる滝ケ原石の強度や特徴についても調査。仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などを利用して滝ケ原町に残る石工の技術を継承する際に役立てることができないかも検討する。

 金沢工大によると、国内に2千橋近くあるアーチ型石橋のうち、9割超は九州にあり、北陸では希少という。滝ケ原町は良質な石材の産地で木橋の代わりに石橋が架けられたとされており、鈴木教授は「小松の石文化の魅力を伝えていきたい」と話している。

 子どものころに東口橋を渡って通学していたという東野實さん(89)は「日本遺産の認定で滝ケ原を訪れる人が多くなった。学生の力で石橋群の景観を継承していってほしい」と期待を込めた。

北國新聞社

最終更新:7/17(水) 1:24
北國新聞社

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事