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変形性膝関節症の新治療法に初成功 金沢医科大病院

7/17(水) 1:24配信

北國新聞社

 金沢医科大病院は16日までに、膝関節の軟骨がすり減って痛くなる「変形性膝関節症」の治療で、患者の腹部から脂肪細胞を吸引し、専用キットを用いて膝に注入する手術を国内で初めて成功させた。従来の治療法に比べて手術にかかる時間が短く、痛みを抑える効果も長続きするとされ、患者にとって朗報となりそうだ。

 イタリアの医師が開発した専用キットは直径約5センチ、長さ約15センチの筒状で、中に直径約1センチの金属製の球が5個入っている。患者の腹部から吸引した脂肪細胞60ミリリットルを水の入ったキットに注入し、手で20回ほど振ってかき混ぜる。異物を除去して抽出した上澄み液10ミリリットルのうち、5ミリリットルを患者の膝関節に注射する。

 金沢医科大病院の堤幹宏再生医療センター長によると、イタリアではこの治療は約5千件の実績があり、効果が認められている。同病院では6月24日に50代女性の手術が行われ、今のところ経過は良好という。

 変形性膝関節症の治療では、ヒアルロン酸やステロイドを膝に注射して痛みを和らげる方法があるが、効果は2~3週間程度しか続かない。キットを使った治療では、1度の注射で、効果が1年以上持続することが期待できる。

 患者の脂肪細胞から得た幹細胞を膝に注入する治療も以前からあるが、従来の手術法では脂肪細胞を600ミリリットルも吸引する上、幹細胞を抽出するには高額な機器や薬品が必要で、治療には丸1日掛かる。キットを使った治療では、吸引する脂肪細胞の量が少なく、1~2時間で終わり、患者の負担は軽くなる。

 同病院の再生医療センターと整形外科、形成外科が2年前、この治療法の導入に向けて準備に着手した。今後は国に先進医療の承認や保険適用を働き掛ける考えで、他の病気への効果も調べるという。川原範夫教授(整形外科)は「治療実績を重ねながら、どれだけ効果があるかなど研究を進めたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:7/17(水) 1:24
北國新聞社

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