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北朝鮮追い詰める経済的苦境、大飢饉の1990年代以降で最悪か

7/17(水) 6:09配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 北朝鮮への制裁は金正恩朝鮮労働党委員長に大きく響いている。同国経済は父の正日氏が洪水と干ばつ、飢饉(ききん)に苦闘し、人口の10%が犠牲になったとされる時期以降で最悪の惨状にあるようだ。

米国が主導する対北朝鮮経済制裁の影響を測る上で、韓国銀行(中央銀行)が今月公表する年次報告書が最新の示唆を与えることになる。北朝鮮の孤立状態や秘密主義、公式統計の不足が推測を困難にしているものの、韓国ソウル大学の金炳椽経済学部教授は北朝鮮の国内総生産(GDP)が昨年、5%余り縮小した公算が大きいと分析する。

北朝鮮経済に関する著書もある金教授は、「制裁を続ける限り、時間は米国に味方する」と話す。「北朝鮮を交渉に引きずり出すには、制裁が最も効果的な手段だ。従って、非核化で大きな前進を遂げることなく解除したり緩和したりするべきでない」と述べた。

GDPが5%のマイナス成長なら、北朝鮮経済は1997年以降で最大の苦境に立たされたことになる。中国も支持した国際制裁が大きく影響した。97年当時は金正日政権の政策ミスと大飢饉で国内情勢が深刻に悪化し、脱北者からは食人のうわさが伝わるほどだった。

韓国銀行では北朝鮮経済が2017年に3.5%縮小したと見積もる。これで同国経済の規模は米バーモント州と同程度になる計算だ。北朝鮮のGDP統計を担当する同中銀のパク・ユンファン氏は、最新の試算については現在作業中のためコメントを控えると述べた。

しかしこれだけの制裁も正恩氏の核開発を止めることはできていない。韓国国防省の試算によると、正恩氏が権力を握った2011年以降に北朝鮮は弾道ミサイルを30発余り発射したが、その費用はおよそ1億ドル(約108億円)に上る。

原題:North Korea Likely Suffering Worst Downturn Since 1990s Famine(抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

Sam Kim, Jon Herskovitz

最終更新:7/17(水) 6:09
Bloomberg

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