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歌舞伎の世界観 感じて 中村勘九郎ら「錦秋特別公演」

7/17(水) 9:49配信

愛媛新聞ONLINE

 歌舞伎俳優の中村勘九郎、七之助兄弟ら中村屋一門による「錦秋特別公演2019」が松山市(10月21日)など全国14カ所である。2005年から毎年行っている全国巡業公演で15年の節目となる今回は、伯竜を勘九郎、天女を七之助が演じる「松廼羽衣(まつのはごろも)」など4本立て。勘九郎が東京都港区で会見し、公演への思いを語った。

 ―「松廼羽衣」の見どころは。
 能「羽衣」が題材の格式高い踊りで、有名なストーリー。大河ドラマ(の主役)を務めているので、がっつり2人で踊るのは1年半ぶりだ。とても楽しみにしている。
 なかなか大劇場でかからない演目。踊りは定番化されてしまうと、そればかりになってさみしい。羽衣はゆったりとしている踊りだが、どう観客を魅了することができるか手腕にかかってくる。チャレンジだ。世界観を見せる、においを感じてもらえるような作品として、しっかり深いものを見せられるようになれたらと思い選んだ。
 歌舞伎は踊りだけでもジャンルが広いのが武器。皆さんにいろんな踊りがあると知ってほしいのがコンセプトだ。心情をうたったり、せりふを語ったりするので、どちらかというとオペラやミュージカルを見る感覚に近い。すんなり客の心に届くのではないか。

 ―地方公演で心掛けていることや楽しみは。
 初めて生で見る人が多い。最初に見たのがつまらなかったら『もういいや』ってなってしまうので、引き込めるかどうかの緊張感は常にある。だけど分かりやすくしたり簡単にしたりとかはしないようにしている。歌舞伎にはエンターテインメントにたけたものだけでなく、何をしているか分からないけど、感動してしまうものもたくさんある。そうしたものも見てもらいたい。
 15年続けていくと、なじみの場所が増えてくる。愛媛では、バー「露口」(松山市)という老夫婦でやっている、いいバーがあり、2人に会えるのを楽しみにしている。最終日の熊本では、大河ドラマの撮影が終わったと金栗(四三)さんのお墓に報告できる。

 ―錦秋特別公演について。
 最初のころはたった2人でお客さんが入ってくれるのか、とても不安だった。「継続は力なり」で、毎年のように呼んでもらえ、楽しみにしている公演となった。栃木、茨城、三重に伺ったら、47都道府県を全て回ったことになる。なかなかないことなのでうれしい。
 中村屋にとって大事な公演。本当に家から出なくても何でもできる時代に足を運んでいただくからには、一人一人の心に届く踊り、舞台を務めたい。後悔させないような公演にしたい。
     ◇    ◇
 「錦秋特別公演」は10月21日正午からと午後4時から、松山市堀之内の松山市民会館大ホールで。他の演目は「艶紅曙接拙(いろもみじつぎきのふつつか) 紅翫(べにかん)」「三ツ面子守(みつめんこもり)」「芸談」。

愛媛新聞社

最終更新:7/17(水) 9:49
愛媛新聞ONLINE

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