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対イラン有志連合は「不動産王トランプ」30年来の野心──英は駆逐艦急派、日本は…

7/18(木) 5:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

判断迫られる日本は慎重姿勢

有志連合に関し、菅義偉官房長官は7月12日の記者会見で「状況に応じて適切に対応したい」などと述べるにとどめ、参加の打診の有無については明言を避けた。岩屋毅防衛相は16日の記者会見で、有志連合に「現段階で自衛隊を派遣することは考えていない」と述べている。だが、アメリカが開く有志連合説明会に、日本も参加予定と報じられている。

有志連合は国連決議に基づく多国籍軍とは異なり、有志の国々が平和維持活動や軍事介入を行う。過去には2003年のイラク戦争の際、アメリカが中心となってチームを組み、イギリスなどが軍事作戦に加わった。

今回は、あくまでペルシャ湾の周辺海域を航行する民間船舶の護衛が目的だが、タンカーが攻撃を受けたり、妨害されたりといった現実的な懸念が強まる中、一触即発の事態になりかねない。

国際社会、各国は今一度冷静になることが必要だ。何よりイランはウラン濃縮のカードを小出しにして危機感をあおる「瀬戸際外交」を改めねばならない。

核合意の当事国の1つであるフランスは7月10日、エマニュエル・ボヌ大統領外交顧問をイランに派遣し、イラン側は「緊張緩和と合意実行に向けたフランスの役割を歓迎する」とした。さらに英仏独の首脳は、イラン核合意から4年となる14日、共同声明を発表し、アメリカとイランに対し、「緊張を高めることをやめ、対話を再開する方策を探るときだ」と呼び掛けた。

CNNやニューヨーク・タイムズなどは再三、米イラン両国に自制を促すような報道を続けている。7月10日付のニューヨーク・タイムズは2人のノーベル平和賞受賞者、イラン人弁護士で人権活動家のシリン・エバディ氏とアメリカ人教師ジョディ・ウィリアムズ氏による記事「イランとの戦争の止め方」(Here’s How to Stop War With Iran)を掲載。「対話のときだ」と呼び掛けている。

6月に安倍首相が買って出ようとした米イランの仲介役は、タンカー攻撃という不測の事態もあり、思惑通りに果たせなかった。日本は今後、再び仲介に乗り出すのか、それとも有志連合に何らかの形で加わるのだろうか。

南龍太:東京外国語大学ペルシア語専攻卒。政府系エネルギー機関から経済産業省資源エネルギー庁出向を経て、共同通信社記者。経済部で主にエネルギー分野を担当。現在ニューヨークで移民・外国人、エネルギー、テクノロジーなどを中心に取材。著書に『エネルギー業界大研究』。秋に「電子部品業界大研究」を出版予定。

南龍太

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最終更新:7/18(木) 18:01
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