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“無意味”なものにこそ意味がある 「仕込みiPhone」制作者語る次代のカルチャーとは?

7/18(木) 8:40配信

オリコン

 2012年、衣装の袖に仕込んだiPhoneが飛び出す「仕込みiPhone」を作成し、その紹介動画の再生数が300万回を超えて話題となった映像クリエイター・森翔太氏。自身で「意味のないものばかり作っている」と言うように、その後も独特な作品を世に送り続けている。脱サラしてクリエイターとなった彼に、「仕込みiPhone」誕生秘話や“無意味”の“意味”、また、サブカルチャーの現在地についても聞いた。

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■「仕込みiPhone」は、ロバートデニーロ主演映画『タクシードライバー』から着想

 森翔太氏は1983年生まれの現在35歳。大学の就職課からの“圧”によりとりあえず就職して営業職に就くも、1年もたずに退職してニートとなり、やがて上京。下北沢の劇団に入団し、極貧生活を送りながら演劇活動を行うことになる。そして2011年に「仕込みiPhone」を開発。その紹介動画をYouTubeにアップしたところ、海外のテクノロジーメディアサイト『ギズモード』に紹介され、一躍話題に。このアイデアのきっかけとして「ロバート・デ・ニーロの映画『タクシードライバー』がある」と森氏は語る。

「私が所属していた劇団はコンテンポラリー的要素があり、用意された台本をただ演じるわけでなく、役者のアドリブなどの即興性や自発性が求められる劇団でした。やりたいことは個人で発案していく個人主義の場で、小道具が必要ならば自分で作らなければいけなかったのですが、その一環で、役者活動やイベントで使えるかも…と、打算的に開発したのが『仕込みiPhone』。好きだった映画『タクシードライバー』でデ・ニーロが仕込み銃を自作して自室でポージングを取るシーンを真似て作成しました」(森氏/以下同)

 森氏は当時、家賃2万円の四畳半のアパートで生活。極貧ゆえにパソコンもなく、インターネット環境はゼロ。その当時はiPhoneが世に広く浸透し始めた頃で、森氏は「今思えば、iPhoneを使用したのは、自身の置かれた劣悪な環境へのコンプレックスの象徴のようにも思えます。また、当時最先端のテクノロジーを、ローテクでアナログな“仕込み”で表現すれば、そのポージングの裏腹さからくるダサさも相まってボケとなり、周囲に笑いながらツッコんでもらえるかなと思い作成しました」と振り返る。

 だがこれが『ギズモード』に紹介されてからは環境が一変。文化庁メディア芸術祭「エンターテインメント部門」審査委員会推薦作品選出、アルス・エレクトロニカ「ネクストアイデア部門」では栄誉賞も受賞している。

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最終更新:7/31(水) 10:25
オリコン

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