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芸人「闇営業」、無申告が横行していた可能性も 問題発覚後、修正申告相次ぐ

7/18(木) 9:40配信

税理士ドットコム

振り込め詐欺グループの忘年会に、雨上がり決死隊の宮迫博之さん、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんなどの芸人が参加し、金銭を受け取ったことが問題で、吉本興業は7月13日、謹慎処分になった13人の芸人が受け取った金額を発表するとともに、税務修正申告を済ませたことを公表した。

もっとも多かったのが宮迫さんの100万円で、田村さん50万円、レイザーラモンHGさんが10万円だった。修正申告とともに、吉本興業の名前で、NPO法人に計300万円を寄付。さらに、宮迫さん、田村さんも自ら別の団体に寄付をした。

吉本興業以外でも、ワタナベエンターテインメント所属のザブンクル(松尾陽介さん、加藤歩さん)の場合、カラテカの入江慎也さんから、それぞれ7万5000円を受領していたことが公表されている。税務申告をしていなかったため、修正申告をしたそうだ。

ただ、今回の一件は「氷山の一角」の可能性もある。お笑い芸人が「闇営業」で事務所を通さずに受け取った金銭を税務申告しなかった場合、どのような問題が発生しうるのか。冨田建税理士に聞いた。

●無申告や過少申告の場合、ペナルティーの税金が割り増しされる

単純なシミュレーションとして、例えば、年間の各種控除考慮後の所得が1000万円あったとして、そのうち3割の300万円が闇営業で過小申告だった場合、1000万円全額無申告の場合、のそれぞれについて、どんな問題があるのか。

「話を簡略化するためここでは所得税・復興特別所得税の無申告加算税・過少申告加算税に限定して、お話ししましょう。

無申告や過少申告の場合はペナルティーの税金が割り増しされます。つまり、税務署からの指摘を受ける前に自主的に申告をした場合は別ですが、無申告加算税なら原則、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%(過少申告加算税は追加税額の10%ですが50万円・当初申告額の両方より高額の部分は15%)の割合を乗じて計算した金額が加算されます。

仮に年間の各種控除考慮後の所得が1,000万円なら税額は1,673,000円。同様に700万円であれば約915,000円です。

この金額を前述の式に代入すると1,000万円全額が無申告なら無申告加算税約310,000円、700万円だけ申告し300万円を過小申告なら過少申告加算税約76,000円が追加で課されます。

なお、これ以外に期間に応じ延滞税もかかります。また、隠蔽や仮装等があった場合は重加算税が課せられる可能性もあります」

●入江さん、高額な加算税の可能性も

今回の芸能人の問題については、どう考えればいいのか。

「入江さんは高収入だったでしょうから、加算税もより高額なのではないでしょうか。 
皆を楽しませる芸人が悲しませた点は遺憾ですが、ザブングルについては税の制度も知らず、軽率にしてしまった事なのでしょう。75,000円程度なら少額ですので、個人的には十分な反省を前提に事務所が再起の機会を与えた事は妥当とは思います。

むしろ、倫理的な問題もさる事ながら、事務所が適正納税を啓蒙していなかった事も反省点ですね。大昔にプロ野球でも脱税でファンを悲しませた事がありましたが、適正申告を怠る事は結局はマイナスです。

収入があった時に、軽率に隠そうとせず納税の可能性を意識し、税理士に都度、相談してもいいでしょうね。

そして、芸人だけでなく社会全体の反省材料とすべきでしょう。

そういえば先日、東京税理士会の副会長さんともお話ししていて意見が一致したのですが、教育現場でも税制や適正納税の意義を教えてこのような不幸を防ぐ啓蒙の機会を作る事も大切かなと思います。

ザブングルのお二人は今は過去の自分に悔しいでしょうが、十分な反省後、ネタで『悔しいですっ』と言える日が来るのを期待したいですね」

【取材協力税理士】
冨田 建 (とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士
43都道府県で不動産鑑定業務経験の傍ら、公認会計士東京会・東京税理士会の学会、不動産会社で地価・不動産法人化・相続等の講演をし告知が新聞に顔写真入で何度も掲載。自著執筆で東京都不動産鑑定士協会表彰の他、公認会計士のプロフェッショナル集団のM&Aサポート会社㈱Stand by Cでも不動産回りを担当する等、不動産や会計・税務の世界で幅広く活躍中。
事務所名 :冨田会計・不動産鑑定株式会社
事務所URL:http://www.tomitacparea.co.jp/

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:7/18(木) 9:40
税理士ドットコム

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