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手軽に食物繊維をとれるカット寒天が市場で定着へ

7/18(木) 13:40配信

日本食糧新聞

伝統と機能性、先進性を併せ持つ寒天。特有の豊富な食物繊維を手軽にプラスできる即食タイプのカット寒天系製品の定着や、物性開発で進む多様なニーズへのアイテム充実、食品以外にも及ぶ需要フィールドの開拓などで、新しい価値の創出が進んでいる。業界トップ・伊那食品工業が手掛ける寒天由来の「可食性フィルム」は、食品の包装資材、飲食用消耗品などで進む「脱プラスチック」を追い風に、あらためて注目度がアップ。寒天の可能性は、さらに広がりを見せている。

新規ニーズ開拓進むも原料高がネック

一方で、最大のネックは原料の海藻、原藻の価格。支えのモロッコ産テングサが今年に入って落ち着きを見せ始めるなど好転の兆しもあるが、もう一方の柱である韓国産は高騰が加速。輸入テングサ、国産天草ともに高止まりが続き、業界への圧迫を強めている。

地場産業として長野県茅野市、岐阜県恵那市山岡町などに根付いている角(棒)寒天、細(糸)寒天の製造現場では、人手不足や後継者問題も深刻化。自然の寒気に頼った冬季製造期の暖冬傾向も拍車がかかる中、産業維持に向けた基盤整備が喫緊の課題として立ちふさがっている。

テングサやオゴノリなどの紅藻類から抽出した粘質液を凍結乾燥させた寒天は、成分の約80%が食物繊維で、カロリーはほぼゼロ。こうした機能性を多彩なメニュー、料理へ手軽に付加できるカット寒天タイプのアイテムが、市場に定着し始めている。

現在、市場の大半を占めている粉末寒天と違い、角寒天、細寒天のいわゆる「形状物」を2cm角程度のブロック状や約2~3cmにカットした寒天で、出来上がった味噌汁やスープにそのまま加える、軽く水戻ししてサラダにトッピングするなどの即食系ニーズを訴求する。

伊那食品工業の「スープ用糸寒天」は、主に食品スーパーなどの一般チャネルに向けた商品。業務用市場がメーンの同社にとって、広いユーザー層の開拓を意識した「戦略商品」に位置付けている。

地元・長野県内では、食品スーパーの配荷率がほぼ100%で、県外でも採用が拡大。最も大きい100gタイプは単価が1000円を超え、「300円の壁」がそびえる食品スーパー棚では不利な価格設定だが、「一番の売れ筋になっている。リピート率が高く市場定着に強い手応えがある」(伊那食品工業・塚越英弘社長)。

松木寒天産業の「そのまんま寒天」シリーズは、角寒天がベース。地元・茅野市で天然製造した角寒天を洗浄、再乾燥させた後、2cm角程度にカット、角寒天ならではの軟らかく食べ応えのある食感が持ち味だ。

「寒天本舗」ブランドで家庭用アイテムを展開する北原産業も、糸寒天を3cmほどに切った「食べちゃう寒天」や「カット糸寒天」、1ブロック1gの角寒天「寒天麩」など、多彩なカット寒天系商品を展開している。

長野県寒天水産加工業協同組合の松木修治組合長は「固める、寄せるといった従来の用途は、家庭でも外食でも伸びしろがないのは明らか」と説明。「今のライフスタイルにマッチした簡便な食べ方、機能性を手軽に得ることができる価値をアピールしていきたい」と話している。

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最終更新:7/18(木) 13:40
日本食糧新聞

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