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サクランボ新顔続々 主産県が独自に育種 収穫期ずらして需要掘り起こし

7/18(木) 12:07配信

日本農業新聞

 サクランボの主産県が、独自品種の育成に力を入れている。主力の「佐藤錦」よりも大玉で高糖度といった特徴のある品種や作期をずらした品種を育成し、需要の掘り起こしに懸命だ。小売店からは、商戦の長期化で中元需要を取り込むなど、売り場活性化への期待が高まっている。(木村薫)

 サクランボの出荷量が全国一の山形県は新品種「山形C12号」を育成。今夏にはブランド名を「やまがた紅王」に決めた。3L、4L級の大粒で甘味が強く、果肉がしっかりしていることが特徴。2022年に先行販売、23年からの本格販売を計画し、早期のブランド化を目指す。

 新品種の狙いは収穫期の分散だ。県は「佐藤錦に収穫時期が集中し、過熟になる課題があった」と説明する。「やまがた紅王」の収穫時期は6月下旬~7月上旬。「佐藤錦」の終盤で、栽培が広がる晩生種「紅秀峰」との中間だ。県は「高品質のものを長期間、出荷して県産のブランド力を高めたい」と話す。

 青森県は、13年に品種登録した「ジュノハート」の出荷を増やしている。現状の栽培面積は約10ヘクタールで、県は25年までに県内のサクランボ面積の10%に当たる27・5ヘクタールに増やす計画だ。収穫時期は「佐藤錦」と「紅秀峰」の間の7月上・中旬。大きさは3L、4L級の大玉が中心で糖度20以上。同県は「県独自品種としてブランドを確立したい」と強調する。

 山梨県は早生種「高砂」より前に出荷できる極早生種として「甲斐オウ果6」を15年に品種登録した。北海道は7月中・下旬に収穫できる晩生種を育成中で3~5年後の品種登録が目標だ。

 農水省によると、サクランボの18年産の結果樹面積は4350ヘクタールで、08年産比で3%減と微減傾向だ。特徴のある品種や、「佐藤錦」と作期分散できる品種の投入で、農作業の分散化と需要拡大を目指している。

 実需の注目度は高い。果実専門店の新宿高野は9日から「ジュノハート」を使ったパフェを期間限定で販売している。同社は「新品種は目新しさがある」と訴求力がある商材として評価する。都内のスーパーも「佐藤錦と販売時期が異なる品種があれば扱いたい」と意欲的だ。

日本農業新聞

最終更新:7/18(木) 12:07
日本農業新聞

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