ここから本文です

コンビニ関連ユニオン、オーナー店舗で初のストライキ

7/18(木) 15:02配信

ニュースソクラ

【転機のコンビニ】時短実施セブン店舗に本部が懐柔案

 コンビニオーナーや本部社員、加盟店従業員、配送ドライバーらコンビニ関係者で構成する労働組合「コンビニ関連ユニオン」は7月12日午前1時、加盟オーナーの店舗などでの営業一部停止などストライキを実施した。オーナーが独自の判断でスト休業するのは初めてだが、実際に実施したのは群馬県のローソン加盟店僅か1店舗のみという結果になった。

 ストライキを行った同労組書記次長の清水彰二氏は、「7月5日にローソン本部に組合に加入したことの通知と、団体交渉申し入れを行ったが、10日に団体交渉拒否の回答があったので、ストライキを通告した。深夜1時~5時の予定だったが、常連客が朝4時くらいには来るので、実質は2時から4時くらいまでになった。その間、本部社員が3人、ストを止めるように説得するため店にやってきた」と語る。

 対するローソン広報は、「問題について調査中なのでコメントできない」と回答した。

 同ユニオンがストライキという非常手段にでた背景にはいくつかの問題がある。24時間営業が事実上オーナーに強制されていること、本部社員に過酷労働が強いられていること。さらには、オーナーヘルプ制度(本部社員がオーナーの代理をする制度)が使えない点、また、高いロイヤリティ(本部へ売り上げの一定比率を上納する制度)で従業員賃金を低く抑えこまざるをえない、ことなどだ。

 同労組は11日に、セブンーイレブン本部社員で執行委員長の河野正史氏らがセブン-イレブン本社(東京都千代田区)前で出勤する社員らにビラを巻き、契約の不当性やオーナーらの過酷労働を訴えた。河野氏は自らの勤務する長野県の地区事務所の仕事を11日朝から休むストライキに突入している。河野氏は本部経営陣と7月5日に予定していた団体交渉を拒否された。

 同労組の副委員長で、7月5日に「契約解除通告」を永松文彦社長から受けて、ストライキを中止した永尾潤氏(群馬県でセブン-イレブン店舗経営)がやはり11日午前に面談に訪れたが、「社長は今不在である」という理由で門前払いされたという。永尾氏は数日前に永松社長に面会を申し込む内容証明を送っていた。

 コンビニ業界には、他にも加盟店オーナーのみで組織するコンビニ加盟店ユニオンがあるが、こちらは3月15日中央労働委員会で、「事業主であるコンビニ加盟店オーナーは、労働者に該当しない」 と団体交渉権を否定された。このため現在は、訴訟に訴えている。

 これに対し、コンビニ関連ユニオンは、セブン-イレブン本部社員の河野正史氏が加入しているため、同社に対しては団体交渉権やスト権が労働組合法上発生する。

 セブン-イレブンは同社の最後の「空白地」であった沖縄県に11日、14店舗をオープンし、客が殺到する大盛況となった。しかし、既に同県にはローソンやファミリーマートなど他チェーンが多数展開しており、「セブン-イレブンが対抗するには、過剰なドミナント(集中出店)をするしかない」(事情通)
という見方が多い。同県のオーナーも過酷労働になることが予想される。

 こうした最中、時短営業で話題になった東大阪のセブン-イレブン南上小阪店のオーナーの松本実敏氏に、セブン-イレブン本部が時短営業を認める契約内容に変更することを提案していたことが明らかになった。松本氏は「本部のDM(課長級の社員)がやってきて、時短営業を認める趣旨を話していった。しかし、もうDMでは済まない話になっている。社長に会いたいと言って突っぱねた。私だけが良くなればいいというものではない。全部の加盟店が同じ条件にならなければ駄目だ。私は幕末の吉田松陰か坂本龍馬のつもりでいる。何なら西郷隆盛のように担がれ討ち死にしてもよい。これ以上、過労死・自殺者のオーナーを出してはならない」と本部の懐柔策に屈しない姿勢を見せた。

 セブン&アイ広報センターは、「時短営業をしたい加盟店には、テスト営業をすることを認める。お客様のニーズを考え、それから契約変更を考えてほしい」と意外にも柔軟な姿勢だ。これに対して松本氏は、「全部は信用できないが、いい結論に持っていきたい」と話した。

■角田 裕育(ジャーナリスト)
1978年神戸市生まれ。大阪のコミュニティ紙記者を経て、2001年からフリー。労働問題・教育問題を得手としている。著書に『セブン-イレブンの真実』(日新報道)『教育委員会の真実』など。

最終更新:7/18(木) 15:02
ニュースソクラ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事