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カップ麺のフタが3分間開かない技術はどのように生まれたのか

7/18(木) 17:55配信

ニュースイッチ

共同印刷に聞いてみた。コストは2ー3割増も新規性に自信

 カップ麺にはまだイノベーションの余地が残されている。

 印刷大手の共同印刷が先日、「カップ麺のフタを簡単に閉じられる」リシールフタ材の開発を発表した。カップ麺のフタといえば、お湯を注いで3分待つ間にフタが開かないように、箸や小皿を置いたり、あるいは付属のシールを貼るのが一般的。同社によると、再び閉じても「24時間以上、勝手に開くことはない」のだとか。再密封性が高まれば、日常生活だけでなく、野外での食べ方が変わったり、蒸らしを生かした新しい商品の開発に結びつくことも期待できる。リシールフタ材誕生の背景を聞いてみた。

「湯切り」がヒント

 東京・小石川の共同印刷本社で、リシールフタ材を用いたカップ麺の容器を見せてもらった。少し力を込めてフタを開いた後、フタを閉じるとくっついて再び開くことがない。閉じる際の力はほとんど要らない。リシールフタ材の部分は手で触ってもシールのように決してベトつくわけではなく、不思議な感じだ。

 「この技術は、カップ焼きそばの湯切りに使う素材の開発で培った知見や技術を応用したものです」。同社技術開発本部包材製品開発部長の佐々木雄一さんはこう説明する。

 湯切り部分を加工する同社の「パーシャルオープン」技術は、剥離しやすい樹脂を表面と内面でそれぞれ挟み込んでコーティングしている。さらに切り口をダイカッターで精密にマイクロメートル単位で制御できる「ハーフカット」技術によって、簡単に湯切り部分を手ではがせるようにした。

アイデアは昔からあった

 今回開発したリシールフタ材は、「リシール層」部分の樹脂を表面と内面でそれぞれ挟み込むなど、基本的な構造はパーシャルオープンと同じ。ハーフカット技術で開封しやすくしていることも同様だ。肝心のリシール層の素材自体は「企業秘密」ということで教えてもらえなかったが、使っているのは「特別なものではない」(佐々木さん)。当然、食べ物の容器に使っても安全性の問題はない。
 
 見せてもらった容器のフタは、上から見ると下半分だけが再接着可能となっており、上半分は一度はがすとくっつかない通常のフタになっている。もちろんフタ自体は完全に取り外すことができる。

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最終更新:7/19(金) 12:03
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