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福光唯一の銭湯 歴史に幕 創業135年小林浴場 設備が老朽化

7/18(木) 22:31配信

北日本新聞

 南砺市福光地域の商店街で明治時代から営業を続けてきた銭湯「小林浴場」が18日、135年の歴史に幕を下ろした。機械の老朽化で営業が困難になったことが主な理由で、店主の小林勝雄さん(78)は「お客さんに育ててもらった」と感謝した。かつて福光中心部に5軒あった銭湯がこれで全てなくなり、住民から惜しむ声が上がっている。(福光・城端支局長 湯浅晶子)

 小林浴場は1885(明治15)年に創業。各家庭に風呂がなかった時代で、大勢の客が詰め掛けた。1929年には3階建てのモダンな建屋を新築。商店街の近代化で79年に再び改築し、現在の建屋になった。

 5代目の勝雄さんが2001年に建設会社を定年退職するまで、妻の郁子さん(74)が番台を守った。掃除が行き届いた浴槽や日替わりの薬湯が評判だった。

 お客さんに話のネタや癒やしを提供しようと、二人は脱衣所に工夫を凝らした。勝雄さんは地元の話題や健康などに関する新聞記事の切り抜きを掲示板に貼り、郁子さんは自宅裏で育てた花々を欠かさず生けた。郁子さんは「花を持ってきてくださるお客さんも多かった。感謝しかない」と言う。

 近年は燃料費の高騰や客足の減少に加え、ボイラーなどの機械設備に不具合が出てきた。修繕を繰り返しながら営業を続けていたが、大規模修理が必要になったため、継続を断念した。「お客さんのためになんとかやってきたが、仕方ない。今はよく守ったなという気持ち」と勝雄さん。浴場の建屋を「まちの活性化など、何かに利用してもらえたらありがたい」と話す。

 この日は常連客らが訪れ、閉業を惜しんだ。同市福光のすし店店主、北村外喜男さん(70)は最寄りの銭湯が廃業して以降、十数年にわたって通ってきた。「銭湯は心をリフレッシュしたり、人との交流を楽しんだりする場所。福光から銭湯文化が消えることが、本当に惜しい」と話した。

北日本新聞社

最終更新:7/19(金) 16:17
北日本新聞

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