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クセがすごい紅茶は社長のクセもすごかった “迷言”連発「ムレスナさん語録」の謎に迫る

7/19(金) 16:50配信

デイリースポーツ

あら、素敵なお紅茶。パッケージのお花も美しいじゃないの。

どれどれ…、んんん?

【写真】謎の文書は、この乙女座の男性社長が書いています

「パリで逢えたら…いいねェッのおいしい紅茶」?

「おいしさに“ときめく”ムレスナティーなのよッ」?

この紅茶、なんだか様子がおかしいぞ。よく見ると箱の側面も全てポエムのようなもので埋め尽くされている。

「今の世の中を美しく生きること…とても難しいことですねェッ」

「あぁ~パリからユーロスターに乗ってロンドンへ入り、きみと一緒だよッ」

「そんな、うまいこといく?いかないでしょッ!」

「やさしい心で見守って…そしてお茶して…またお茶して…フフフッ、あせらず生きていこうではありませんかぁ?」

「ムレスナさんクウー!いいねェッ語録」

どうです。わくわくしてきたでしょう。

これらは、西宮が生んだ紅茶の(異形の)名店、ムレスナティージャパンの看板商品、ティーバッグ11個入りの「cube box」にプリントされているポエムの一例だ。抜群の味に加え、見ての通り、パッケージの言語センスがあまりにも独特なことでも知られている。そういや、当たり前のように流通しているけど、よく考えたら一体誰が、どういう意図で書いているのだろう。やはり阪神間にお住まいの有閑マダムだろうか。その前に、そもそも「ムレスナさん」って何者?

これはもう、フフフッ、取材してみるしかないですねェッ!

JR甲子園口駅から歩いて15分ほど。国道沿いの住宅街の一角に、ムレスナティージャパン直営のティーハウスがある。迎えてくれたのは、超ダンディーな社長ご本人。その名もディヴィッド.K氏(大阪生まれ、西宮在住の日本人)である。

-早速ですがこのポエム、誰が書いているんですか。

「全部僕やで。でもポエムなんて思ったことはないね。その時々で思ったこと、言いたいことを書いただけ。まあ、女の人の気持ちになろうとはしてるけどな。こう見えて僕、乙女座やねん」

-文章がおかしくて、どういうテンションで書いているのか心配になるものもあります。

「そらおかしいよ。だって素人やもん。でも、最初見たときは『アホやん』って笑っていた人が、夜に独りで読んで泣いてしまうこともあるらしいで」

-そうなんですか!それぞれの文章に「ムレスナさんなんとか語録」とありますが、じゃあムレスナさんというのはディヴィッド社長のこと?

「まあ雰囲気やね。自分かもしれないし、架空の女の人かもしれない」

-味には絶対的な自信があるわけですよね。

「そう、スリランカのセイロンティーで、ムレスナ社のもの。茶葉の鮮度、コンディションがとにかく最高で、水で抽出してもおいしい。ムレスナの紅茶がいかにすごいかということを、もっと知ってもらいたいですね」

-野暮なことを伺いますが、その味を前面に押し出すために、パッケージをもっとシンプルにするという選択肢は…?

「紙の箱で売り始めたのは2001年か2002年頃からやったかな。今とは違う、シンプルなよくあるパッケージやってん。でもぼちぼちしか売れんかった。それで、5年くらいして今みたいな感じに変えたら売れるようになった。やっぱりスタイリッシュなだけではダメということ。『ナニコレ?』くらいの方が売れんねん。そら最初は『こんなふざけたこと書いて…』と言われたこともあるよ。でも人に言われてやり方を変えるなんて、そんな主体性のないアホみたいなことないやろ」

-今は毎月のように新作を出しているそうですね。

「cube boxは、6月は9種類出しました。7月はないけど、8月にはまた6種類出る予定です。それから、創業35周年の記念ボックスも4種類。フレーバーの組み合わせは無限やから、いくらでもできる。よそではちょっと真似できへんと思うわ」

-でもその分、商品名とポエムが必要になるから大変ですね。ちなみにこれまでの“作品”で思い入れのあるものはどれですか?

「ないね(即答)」

-えっ!

「世の中に送り出した時点で、僕の中では全て過去やから。もう次のこと考えてるよ。だからたまにパッケージ見て、『うわ、ええこと書いてるやん』と自分で感心することもあります」

「あと、パッケージの雰囲気とかから、スピリチュアル系の人と思われたり、オーラがすごいですねとか言われたりするけど、全然よ!スピリチュアルのこと、全然わからへん。ただ、強運の持ち主であるのは間違いないかな。僕、手相もすごいねん。ちょっとそこらへんにはいない、無茶苦茶面白い人間やと思うで」

いかがだっただろうか。あのポエムの作者は、有閑マダムどころか、無茶苦茶エネルギッシュな男性だった。ここでは書き切れなかったが、大学を四浪して後がなくなって起業した話や、数千万円の借金を抱えた話、ディヴィッドと名乗るようになった話など、ポエム以上にご自身のエピソードの切れ味も抜群。やはり、実際に会ってみないとわからないことって…、あるのよねェッ!

インタビューを終え、店内に陳列されていた商品の文章を片っ端から読んでいると、こんなものに出くわしてしまい、たまらず膝から崩れ落ちた。

「ありがとうございます!手にとってこのキューブを見て買おうと思って下さっているのですねェッ」

「うれしい!ムレスナさんは…」

「そして、今、この文章を読んでいこうとしていらっしゃるのねェッ!いや~だ、うれしい!」

私はこれを夜に独りで読んだら泣いてしまうかもしれない。うふふふッ。

(まいどなニュース・黒川裕生)

最終更新:7/19(金) 17:03
デイリースポーツ

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