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安倍首相の答弁動画「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策」→誤り 編集され拡散、740万再生に

7/19(金) 11:16配信

BuzzFeed Japan

安倍首相が「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策」と答弁した、という内容のタイトルと字幕がついた動画が、参院選を前に拡散している。再生回数は740万回を超えている。結論から言うと、この動画は大きく編集されており、内容としては誤りといえる。【BuzzFeed Japan/籏智 広太】

動画のもととなったのは、6月10日の国会論戦だ。BuzzFeed Newsでは、この日の議事録と動画を比較して検証し、この動画のファクトチェックを実施した。

動画には「安倍首相『富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策』」というタイトルがつけられている。

動画のやりとりを見ると、共産党の小池晃書記局長が、年金財源として大企業に中小企業なみの法人税負担を求め、所得税の最高税率をあげるべきだと提案する。次の瞬間、安倍首相が「それはまったく馬鹿げた政策」と一蹴している。

しかし、この日の参議院決算委員会の議事録(この記事の末尾に関係部分を全文掲載)をみると、この2人の発言の間には省略されている部分があり、動画が編集されていることが分かる。

議事録では、安倍首相はまず、年金財源として大企業や富裕層への増税を行うという小池書記局長の提案に対し、「信憑性がない」「日本の経済自体が相当のダメージを受ける」「マイナス成長になるかもしれない」と否定的な発言をしている。

そのうえで、年金の増減幅を物価や賃金上昇率などで変えるマクロ経済スライドを「やめるべき」という提案への回答に移り、以下のように述べている。

「それをやめてしまうというのは極めて無責任であり、また、将来世代の皆さんにとってこれは不安をかき立てるものになるわけでありまして、それは全く馬鹿げたこれは政策なんだろうと、こう言わざるを得ない。間違った政策だと思いますよ、それは」

党首討論でも言及が

また、6月19日の党首討論で、共産党の志位和夫委員長は、こう発言した。

「先日の参院決算委員会で、我が党の小池晃議員がマクロ経済スライドはやめるべきだと求めたのに対し、総理は、年金は給付と負担のバランスで成り立っている、やめてしまうというのは無責任で馬鹿げた政策と言いました」

「しかし、今でさえ老後の生活を支えられない貧しい年金を、マクロ経済スライドを続けて更に貧しい年金にしてしまうことこそ、私は無責任で馬鹿げた政策と言わなければなりません」

一方、安倍首相はこう述べた。

「共産党の主張は、マクロ経済スライドを廃止して、その上で、なおかつ将来の受給者の給付が減らないようにする上においては、これは7兆円の財源が必要でございます。皆さんはその財源がある、こうおっしゃっています。7兆円というのは巨大な財源であります。巨大な財源があるというのは、これはかつて聞いたことがあるような話でございますが、それはそう簡単には出てこないわけでございます」

「マクロ経済スライドをやめてしまうという考え方は、もう一度申し上げますが、これは馬鹿げた案だと思います」

こうしたやりとりから、動画にある「馬鹿げた政策」という首相の言葉は、「マクロ経済スライドをやめるべき」という提案に対して掛かっていると読み取るのが自然だ。

動画が与える印象は、これとは異なるうえ、「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策」というタイトルが付けられているため、「誤り」と判断した。

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最終更新:7/19(金) 11:16
BuzzFeed Japan

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