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【ラグビーコラム】俺のワールドカップ

7/19(金) 12:46配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 連日、雨が降っていた。
 
<使用禁止>
 
 東京は真田堀のグラウンドの入口に伝言があったのは、2019年7月13日。その文字を目視した上智大ラグビー部のリーダー陣の1人は、肩を落としてスマートフォンの無料通話アプリを起動させる。四谷キャンパスで待つ仲間へ、会場変更を告げる。
 
 主要活動先の真田堀グラウンドは土が敷かれていて水はけに難があり、悪天候が続くと閉鎖されがち。大学が自治体と共同で管理する土地とあって、簡単に人工芝は張れない。ラグビー部はこの午後、使用許可のいらない青山公園で汗を流すことにした。
 
 1954年創部の上智大ラグビー部は、加盟する関東大学対抗戦Bで専用グラウンドを持たない唯一の集団だ。平日夕方の練習に際しても、真田堀グラウンドを使えるか気を揉んだり、休日だと使いづらい小石川運動場・スポーツひろばの人工芝グラウンドを使用できるよう抽選会に挑んだりせねばならない。

「こういうことになったけど、いい時間にしよう」

 13日の午後。キャンパス内の体育会学生が集まるエリアで、OBの北真樹監督は訓示する。ここから指導陣とけが人とマネージャー以外は、青山公園へ走って向かう。サッカーをする子どもたちと場所を分け合う。
 
 チームは2015年に0勝7敗で最下位に終わったことなどを受け、環境を言い訳にせぬ文化を本気で築き上げようとしている。2001年に着任した週末コーチの北監督も、どうにか集めたOB会費を指導体制の強化に活用。在籍していたセコムラグビー部の山賀敦之副部長らの紹介で、前年度からは元パナソニックの大澤雅之コーチを招いている。
 
 ゴールポストもなく、足元に石ころが転がる青山公園でも、大澤コーチはパス回しのドリルを手際よく進める。北監督曰く、「青山公園の石、これまで5000個は隅のほうへ投げていますよ」。いまのチーム目標は、打倒東大、打倒一橋大。スポーツ推薦がない受験難関校同士のバトルは制したいという、矜持の現れだ。

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