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【特集】“闇に消えた“仏像たち ブームの裏で「無住寺」が狙われる...対策は?

7/19(金) 16:01配信

MBSニュース

お寺に収められている仏像が、ある日、突然消える。関西2府4県でこの5年間あまりに少なくとも214点の仏像などの文化財が盗難の被害にあっていることが警察や自治体への取材でわかった。誰が何のために仏像を狙うのか、闇取引される実態を追った。

“帰るべき場所”が見つからない盗難品

和歌山県立博物館で開かれた仏像の展示会。1か月間の会期中の来場者数は約1万人で、通常の1.5倍と人気を集めた。今、仏像がブームになっているという。

「仏像女子とか仏像ガール、あるいは観音ガール、いろんな形で言葉が出ていますが、仏像に対して癒しを求める方が今増えているという印象を持っている。」(和歌山県立博物館 大河内智之主任学芸員)

しかしその影で、この博物館のバックヤードにはある課題が。2階に置かれていたのは、仏像など39点。中には腕が壊れた無残な姿の仏像も。これらの仏像はすべて約10年前に盗まれた盗難品だ。犯人が捕まり警察に発見されたものの、被害届が出ておらず、どこの寺のものなのか不明で、帰るべき場所がまだ見つかっていない。

「どこかのお寺、お堂、神社、小さなほこら、そういうところでまつられていて盗まれた。悲劇の仏像と言えるのではないか。」(大河内智之主任学芸員)

被害多発の和歌山で狙われたのは…

和歌山県では仏像を狙った窃盗が多発。この10年間、県内だけで262体もの仏像などが盗まれていたことが判明、各地の寺や神社で仏像や神像がこつ然と姿を消していた。なぜ盗まれるのか…取材班が訪れたのは、和歌山県白浜町の「梵音寺」。この寺では本尊の仏像を盗まれた。盗まれたのは、南北朝時代につくられた白浜町の指定文化財「釈迦如来坐像」。盗難に気づいたのは今年2月中旬の朝で、寺の勝手口の鍵が壊され、厨子の中を見ると、あるべきはずの仏像がなくなっていた。

「まじかよ、こんな田舎でもこんなことあるのかというのが最初の印象。信仰の対象というか、これ(釈迦如来坐像)が中心としてうちの梵音寺というのがあると思う。ないとなれば、何に手をあわせていいのかわからない。」(檀家総代長 小松原昭太さん)

この寺が狙われた理由については…

「やっぱり『無住寺』を狙うんだなと感じました。」(小松原昭太さん)

小松原さんの語る「無住寺」。実はこの「梵音寺」、住職が長年いない無人の寺となっていた。この10年間に盗まれた262体の仏像も、ほとんどが無人の寺から盗まれたという。背景にあるのは地方で急速に進んだ過疎化がある。檀家不足が進んで経営が立ち行かなくなり、常駐する住職が不在となる寺が増えているのだ。

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最終更新:7/19(金) 16:01
MBSニュース

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