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「花粉を水に変えるマスク」は科学的根拠なし?消費者庁が措置命令

7/19(金) 11:40配信

THE PAGE

 消費者庁が、「花粉を水に変える」と宣伝しているマスクが消費者の誤解を招くとして、メーカー4社に対して措置命令を出しました。すでに自主的に製品の販売を取りやめているアイリスオーヤマは全面的に非を認め、再発防止に取り組むと表明しましたが、大正製薬は「科学的根拠を全く無視した内容で、合理的なものでない」「法的に採り得る対応・措置を検討中です」と消費者庁を激しく批判するという展開になっています。

 消費者庁は7月4日、「花粉を水に変える」とうたったマスクが景品表示法に違反(優良誤認)しているとして、製品を製造しているDR.C医薬、アイリスオーヤマ、大正製薬、玉川衛材の4社に対して措置命令を出しました。同庁は各社に対して、合理的な根拠を示す資料の提出を求め、内容を検証しましたが、表示の裏付けとなる根拠が認められなかったことから、措置命令に踏み切ったとのことです。

 「花粉を水に変える」というマスクについては、以前から消費者や専門家の一部から、表現が不適切ではないかとの指摘が出ていました。各社の製品には、光触媒(酸化チタン)の効果によって、マスクに吸着した花粉やウイルスを水に分解できるというニュアンスの説明が記載されています。確かに触媒には化学反応を促進させる効果がありますが、分子構造を1つに特定できない無数の花粉やウイルスなどの有機物について、水に分解できると表現するのは、一定の科学的知識がある人からすると、やや違和感を感じる内容といってよいでしょう。また触媒による有機物の分解には限度があるため、顕著な効果が得られるほどの反応を維持できるのかという疑問もあります。

 表現に問題があることを認めるメーカーがある一方で、大正製薬のように製品の効果や表現に自信を持つ企業もある状況ですから、現時点でどちらの言い分が妥当なのかは断定できません。しかしながら、市場の一部から疑問視する声が出ていることや、消費者庁の行政処分に対して訴訟も辞さないと主張しているメーカーがある以上、製品の販売を継続するメーカーは、試験のデータも含め、消費者に対して詳しい情報を提供する必要があるといえます。

 一方、わたしたち消費者も、もっと賢くなる必要があるでしょう。消費者の側に、宣伝文句をしっかり検証するという態度があれば、企業側も安易な宣伝文句を使うメリットがなくなります。今回の行政処分は、商品の宣伝のあり方や消費者の受け止め方について議論するよいきっかけとなるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/19(金) 11:40
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