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京アニ八田社長、踏みにじられた理念に悔しさ「何のためにやってきたんだろうと…」

7/19(金) 17:49配信

BuzzFeed Japan

京都アニメーション(通称:京アニ)のスタジオ放火事件から一夜明けた7月19日、同社の八田英明社長が報道陣の取材に応じた。八田氏は「作品が人をつくっていく」と、企業理念につながる言葉に触れつつ、無念さと怒りをにじませた。

本当に、僕も信じられないです。報道によると(犯人は)ガソリンを持ってきたわけじゃないですか。撒いたらしんです。信じられないですよね。そういうことをして、どういう事が起きるかということ自体を想像できない人がいた。

何のためにやってきたんだろうと思ってしまう。僕らがアニメーションをやりながら考えているのは、人づくりであり、作品が人をつくっていくということで、良い作品を世界に出していきたいというのが会社の理念になっているんです。

何か気に食わないことがあったのかわからないが、暴力でもって対抗するのは慚愧に堪えないです。

(八田社長のコメント、NHKニュースの中継などによる)

「人を大切に」「人づくりが作品作り」

京都アニメーションは1981年創業で、京都・宇治市に本拠地を置くアニメーションスタジオ。もともとはセル画の仕上げ作業を受注する「下請け」からはじまったが、その丁寧な仕事は業界内で評判となった。

京アニの作品に通底するのが、八田社長が紹介した京アニの企業理念「人を大切にし、人づくりが作品作り」という言葉だ。

登場人物の人間関係、それに起因する心の機微、作品の世界観を表す背景描写――。京アニ作品に胸を打たれ、アニメーションの魅力を知った人も多いだろう。

《創業当初より現在に至るまで、チャレンジ・ベストを尽くす・求められる映像創り・ヒューマンな人間企業、を指針としています。 人を大切にし、人づくりが作品作りでもあります。真摯に、アニメーションを軸とするエンタテイメント企業を目指していきます。
(企業理念 -京都アニメーションホームページより)》

精巧な作画、情感あふれる脚本 新たな才能も発掘

恋愛ゲームが原作の「AIR」「CLANNAD」では、その物語性の高さを失うことなく、忠実かつ繊細にアニメーションで表現。「涼宮ハルヒ」シリーズ、「らき☆すた」「けいおん!」がヒットし、「京アニ」は一躍、有名アニメスタジオに。

近年では自社でライトノベルのレーベルを創設。「Free!」や「響け!ユーフォニアム」など、部活動での青春劇を描いた人気作も生まれた。アニメ化もされ、TVシリーズのみならず劇場版に発展。現在、「劇場版Free! - Road to the world -夢」が公開されている。

大今良時さんの人気漫画を原作とした映画「聲の形」では、聴覚障害者の少女と彼女をいじめていた少年の交流、人間関係、主人公らの母親の葛藤をありありと描いた。作品は、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した。

京アニは、新しい才能の発掘にも力を注いできた。

小説・漫画・シナリオ部門からなる「京都アニメーション大賞」を主催し、公募作品から「中二病でも恋がしたい!」「境界の彼方」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」などが誕生した。

近年ではNetflixで「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を配信。

兵器として育てられた少女ヴァイオレットが主人公。平和になった社会で“自動手記人形”(代筆のタイピスト)の職に就きながら「愛」の意味を探し続ける少女の成長譚を、京アニは他の追随を許さない精巧な作画、情感あふれる脚本で描いた。

2020年1月には「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の劇場版が公開予定だが、火災の影響が憂慮されている。

事件が報道されると、Twitter上では主人公ヴァイオレットのイラストや、「PrayForKyoani」のハッシュタグを付したツイートなどが世界から寄せられた。

最終更新:7/19(金) 17:52
BuzzFeed Japan

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