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千賀 滉大投手(蒲郡-福岡ソフトバンクホークス)「育成ドラフト4位指名から『お化けフォーク』で大ブレイクした原点は準備の心」

7/19(金) 18:10配信

高校野球ドットコム

 愛知県の無名の公立校から、ソフトバンクの育成ドラフト4巡目の選手として指名された千賀 滉大。球団としても、「万が一出てきたら儲けもの」みたいなところもあっただろうが、そこから這いあがってきた。スタートは二軍のもう一つ下の三軍だった。だから、1年目はファーム公式戦のウエスタンリーグでの登板機会すらなかった。それがいつしか、日本代表メンバーの一人として、侍ジャパンの投手陣の一角をなす存在となった。そして現在は防御率1.97で9勝2敗。奪三振率は11.83と2位以下を大きく引き離す驚異的な数字を残している。(7月17日時点)
 そんな千賀の高校時代はどんな選手だったのだろうか。当時、蒲郡高で指導していた金子 博志(現豊橋商)監督に聞いてみた。

キャッチボールを見て、面白い存在になると思った

 小学2年生の頃から野球に触れ始めた千賀少年は、学童野球のクラブチームを経て普通に地元の蒲郡市立中部中学に進んでいる。そして、その野球部(軟式)に入部して三塁手としてプレーしていた。身長は高かったが、特に目立った選手というわけでもなかった。だから高校は、特に強豪校を目指すということはなく、地元の蒲郡高校に入学して野球部に入部した。

 最初の印象について、金子監督はこう振り返る。
「身長はありましたけれども、体重がなくてマッチ棒みたいでしたね。本人も、特にどうしたいということではなく、当初はボクシング部にしようかどうしようかなんて迷っていたくらいだったと思います」

 千賀の入学した蒲郡高校は、愛知県の東三河地区にある普通の公立校だったが、県内では珍しいボクシング部があるということで知られていた。そんなこともあって、千賀も心が動いたところもあったようだ。いずれにしても、中学時代にある程度野球選手としての実績があって、それが評価されていたという存在ではなかったことだけは確かだ。

 そんな千賀だったが、金子監督はキャッチボールをしている千賀を見て、「これは、もしかしたら面白い存在になるかなと思った」というくらいに、いい球を投げていたという。プロのスカウトがよく口にする、「球の軸がしっかりしている回転のいいボール」をキャッチボールの段階で投げていたのだ。金子監督も、入学前まではとりたてて情報のなかった千賀という選手だったが、その球筋に惚れ込んだ。ただ、千賀選手は、中学時代は三塁手としてやってきていて、高校でも、内野手として何とか試合に出られればいいかなという程度の意識だったという。

 金子監督は、何とか千賀をマウンドで投げさせたいと思っていたが、機を見てブルペンで投球練習をさせてみた。すると、思った通り、いい球筋で投げていた。
「もちろん、投手なんかやったことないですから、コントロールは目茶苦茶ですよ。だけど、ボールがいいなぁという気はしました。それで、練習試合も使ってみたんですよ。そうしたら、相手の監督さんからも『楽しみな投手になるんじゃないですか』というような評価は戴いていました」

 千賀自身も、何となく投手としてやれるのではないかと、最初にそんな気持ちになってきていたところでもあった。期待も込めて、1年生で、千賀は夏の大会のベンチにも入っていた。豊田大谷との負け試合ではあったが、最後に1イニングを投げ無難に抑えた。これで、金子監督としても、千賀を投手で育てていこうという意識は固まった。千賀としても、投手でいこうという意識が固まってきた時だった。

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最終更新:7/19(金) 18:10
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