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東京オリンピックを日本人選手団がボイコット? 挑発的な映像作品を芸術家・丹羽良徳さんが作ったわけ

7/19(金) 21:04配信

ハフポスト日本版

2020年の東京オリンピックを、日本人選手全員がボイコットする━━。そんな架空の映像作品を、社会問題を芸術で表現する丹羽良徳さん(36)=ウィーン在住=が完成させた。

作品はオリンピックの1年前にあたる7月24日から、東京都内のギャラリーで展示される。

世界的な祭典に向けてムードが盛り上がる中、挑発的な作品を生み出した狙いは何か。帰国した丹羽さんに聞いた。

作品のタイトルは「想像したはずの共同体」。

ナショナリズム(国民国家というまとまりを重視する考え方)の誕生をひも解きつつ、国民という概念が想像の産物でしかないことなどを述べた名著「想像の共同体」(ベネディクト・アンダーソン)にちなんで名付けた。

作品は約15分。ドキュメンタリー風の映像で、ストーリーは、東京オリンピックの開会式に日本人選手団が姿を現さず、大騒ぎになるところから始まる。

政府が必死に事態の収束を図ろうとする中、日本人選手たちが独自に記者会見を開き、オリンピックをボイコットすることを表明。世の中は大混乱におちいる。

ボイコット劇を外国人選手に語らせるシーンも盛り込むなど、視点の相対化を試みている。

丹羽さんによると、映像は自ら撮影した動画もあるが、ほとんどがYouTubeに投稿されているニュース動画などを利用して編集したという。

例えば、日本人選手が開会式を欠席した際、安倍晋三首相が記者会見で「事態は収束に向かっている」と発言する場面が登場する。

これは、実際に安倍首相が2013年の国際オリンピック委員会(IOC)の総会で演説したときの映像を使っているという。

1964年に開かれた前回の東京オリンピックの投稿動画も利用。現実と非現実とを混同させる手法をあえて採ることで、「フェイクニュースの広がりが問題になっている今の風潮をも表現する」(丹羽さん)という。

ただ、ニュース映像などを勝手に使うことは、日本では著作権の侵害を指摘される可能性があり、東京での展示(上映)では、該当部分については画面を真っ黒にし、字幕だけ表示するようにした。

黒塗りは全体の8割ほどに上るという。

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最終更新:7/19(金) 21:04
ハフポスト日本版

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